予感-1
4人は店を出ると
「カラオケ行こう」と話ながら歩く。
徒歩5分もしないうちに
雑居ビル3階のカラオケ店に着く。
高校生の頃にもよく行っていた
カラオケ店だ。
受付を済ませ、部屋に入る。
部屋の外の会計カウンター横には
ドリンクバーが設置してある。
2人づつドリンクを取りに行き、
しばらくお喋りをした後に
タッチパネル式のリモコンで
選曲をして歌い始める。
30分ほどして、恭助が歌を
歌っている時に健が
隣に座っているタクミに
近づいて話始める。
「びっくりしてたね〜。
ちづちゃん。 」
「 、、 うん。」
「あそこで働いてんだ〜。」
「 、、、 うん。」
「 ? 、、、。 」
不機嫌なような、
落ち込んでいるようなタクミに
健は少しだけ黙る。
言葉を選んでから話す。
「、、、。
タクミを見た時の顔、見た?
なんか、、ふふっ
萌えかった〜
ね、俺が付き合ってんの
知ってる事は、、、
まだ知らないの? 」
「、、、ねぇ、 あのさ 」
「ん?」
「別れると、思う?」
「 え?」
「俺と、、、 」
「 、、、なんで?」
「 いや、、 なんとなく 」
「、 、 、、。」
「なんか、、、。
別れると、、、
思ってる気がするんだよね。」
「、、、誰が 」
「、、、、。」
「 常盤さんが?」
「 、 、、 うん。」
「 なんで?」
「、、、なんか 」
「言われた訳じゃないんでしょ?」
「、、、そーだけど。」
「、、じゃあ、 、、、
そんな事は 、、、 」
「 ぁーー、、、
やっぱ、、うん
いいや。
なんでもない 」
「、 、 、、、 」
「今のはーー、、、。
忘れて? 」
「、 、 、、、。」
「、 、 、、。
さ、 何歌おっかな〜〜」
微笑んでそう言ったタクミを
健は少し心配そうに眺める。
2人は再び画面に視線を向けて
友達の歌を聴いていた。