Girl Meets Devil 〜その[〜-4
「そう言えば…俺もいい場所を知っているのだが……」
何か怪しい……
「大丈夫だ。ちょっと体の力を抜いてそこに立て。あっ…金魚はその辺に置いといた方がいいぞ。」
言われた通りに金魚入りのビニール袋を置いて体の力を抜く。
「これでいいの?…ねぇ、恭夜……何で羽なんか出してるの……?見つかったらどうすんの?」
「大丈夫だ、辺りに人間はいない。」
そう言って、私の膝と肩を支える様にして抱き上げる。
所謂、お姫様抱っこというやつだ。
「うわっ!…恭夜、私物凄く嫌な予感がするんだけど………」
「…まあ、お前の予感はほぼ当たると思うぞ♪」
そう言ってニヤッと笑うと、恭夜は大地を蹴りあげる。
「いやぁああぁああ!降ろしてぇえ!」
嫌な予感は見事に的中した…
私の体はまるで、エレベーターに乗っているかの如く宙へと舞い上がる!
「いやぁああぁああ!落ちる、落ちるぅ…」
この悪魔、私への当てつけか?さっきの仕返しなのか?
「こら!暴れるな。暴れると本当に落とすぞ。」
「ひぃ………」
うっかり、下を見てしまった…
あはは…みんな小さいや………ここから落ちたら確実にあの世行きが保証されてるね………
「落ち着け茜。いいか、まず俺の首に両手を回せ。」
パニック状態の頭をフル回転させて、恭夜の言う通りにする。
「次は、こっちを見てゆっくりと深呼吸をしろ。」
恭夜の緋色の瞳を覗きこむ。それだけで、すごく楽になる。
すぅー……はぁー……
すぅー……はぁー……
何か落ち着いた……
「大丈夫か?じゃあ、最後に向こうの方を見てみろ。」
恭夜の言った方向に目をやった瞬間……
ヒュルルルル………
ドオォオオォォン!
夜空に黄色と赤の大輪の花が咲き誇る……
「うわぁあ…」
「どうだ?悪くないだろ。」
一つの花が名残惜しそうに消えていくと、また新たに違う花が咲く…… その花たちは、手を伸ばせば届きそうなところで咲いている。