Girl Meets Devil 〜その[〜-3
「恭夜が3匹…私は7匹…ということは♪」
「くっ……俺の負けだ…」
ほら、負ける気がしないって言ったじゃん♪
みんなもこの流れからすると私が負けると思ったでしょ?まだまだ甘いなぁ。
私は金魚掬いで勝負して負けたことはない!!
「…と言う事で恭夜、約束は覚えてるよねぇ〜♪」
「…何が望みだ…」
「じゃあねぇ…クレープ買ってきて♪」
「…また、食い物か……まあいい、承知した…」
「ダッシュでね〜♪」
「う〜ん…おいひぃ♪」
「口に入れたまま、喋るな。行儀が悪い。」
恭夜は少しふて腐れている。
結構、負けず嫌いだからなぁ…
「茜…クリームがついてるぞ。」
「えっ…何処?」
「口許だ。」
そう言うと私が拭うより早く恭夜の指が私の唇をなぞる。
ただ…唇に指が触れただけなのに身体中に電気の様な何かが流れ、私の心臓は勢いよく動き出す。
「えっ…あっ……」
「…もう少しきれいに食べろ。…どうした、キスみたいに舐め取った方がよかったか♪」
「そ、そんな訳…ないじゃん!!」
口では否定をするけど実はあの瞬間…キスされるんじゃないかと思った自分がいた。
恭夜はそんな気持ちを見透かす様にくっくっと笑っている。
「それより時間はいいのか?」
何の時間?
「そろそろ8時だぞ。花火が上がるんじゃないのか?」
あっ…そうだった。
「で、何処から見るんだ?」
「ふっふっふ…いい場所があるんだ♪ちょっと着いて来て!」
「いい場所と言うのは此所か?」
「うん……去年までは………」
私が案内した場所、それは去年のお祭りで見つけた神社の裏手にある崖下だったのだが……
「塞がれているな。」
そう…いつの間にかその穴場には転落防止用の柵が取り付けられていた。
「ごめん…柵が取り付けられたなんて知らなくて………」
「まあ…気にするな。」
あ〜あ…去年、此所から見た景色を恭夜にも見せたかったな………