第六章 嫉妬-1
「う…。」
ユリネは魔物の仮面を被った顔で周囲を見回した。
「おや、随分と早いお目覚めね。親の教育が良かったのかしら。」
スイギュウに魂までをも撃ち抜く様な重い一撃を喰らい意識を失ってから、わずかな時間しか経っていない。
「ピーマン、前に。」
ピーマンの仮装をした村長の妻が、魔物の右側から胸の横に歩み寄った。
彼女は魔物のヘソのあたりに右手のひらを乗せ、スーっと撫で上げていった。
「綺麗ね。白くてしっとり滑らか。」
そして、右の乳房を少し持ち上げるように支え、じっとみつめた。
「プリっと張りがあって少しも崩れていない。」
プルン、と撫で上げ、そのまま手を離した。
「本当に綺麗。だからこそ…ブチのめすのが楽しみで、震えが止まらないわ。」
バシ。
「ああっ!」
ピーマンはいきなり魔物の右乳房を平手打ちした。
「痛い?ふふ、痛いわよねえ、こんなところにこんなことをされたら。」
バシ、ビシ。
「はあっ!あうっ!」
魔物は身をよじって耐えている。
「なんてことを…。」
僕は、自分が殴られているような痛みを感じた。
「見た目だけじゃなくて、弾力も素晴らしいじゃない。張り飛ばされて大きく変形しても、少し揺れるだけですぐに定位置に収まる。憎たらしいぐらいに若く活き活きとした体ね。」
ビシィ。
「はうぅ…。」
「ごめん、間違えたわ。憎たらしいぐらいじゃない。憎い。憎いの。」
バシイィ。
「くはぁあ!」
一段と大きく弾き飛ばされた白い乳房を見つめ、ピーマンが呟くように言った。
「あらあら、随分赤くなっちゃって。かわいそうに。」
彼女は魔物の乳房を指先で撫で始めた。
「でもここ、硬くとがってるじゃない。どうしてかなー。」
乳首の周りをグルグルなぞっている。
「あれれえ、ますますツンツンになってきた。」
彼女は魔物の乳輪を左手で摘まみ上げ、ゆっくり引っ張り上げ、軽く揺すった。
ピシ。
「うっ。」
「ふふ、おでこじゃないけどデコピン。」
ピシ、ピシ。
「う、くっ。」
さほど強い苦痛ではなさそうだが。なんだかユリネの様子がヘンだ。
「ねえ、もっとして欲しい?だったら、胸を突き出しなさい。」
「…。」
ユリネは動かない。そりゃそうだ。
「いらないの?」
ユリネの胸が…持ち上がっていく?
「そう、正直ね。ご褒美。」
ピシ、ビシ、パシ、ピシ、ピシィ…。
「あ、ああ、あはぁ、あう、あふぅ…」
何度も何度もデコピンを乳首に受けたユリネの声は、そのたびに艶を増し、悦びに身を震わせているのが明らかになっていった。
「なぜだ、なぜそんなことをされてそんなことに…。」
「元々持っていた素質だよ。」
「ゆいな?」
「私には分かる。」
「妹だから?」
コクン、とトマトの仮装の義妹、ゆいなが頷いた。
「これも仮面効果なのかなあ。出ちゃったみたい。痛みを与えられて、それを快感として受け取ってしまう、倒錯の悦び。」
「倒錯…ユリネが倒錯?」
「ごらんの通りに、ね。」
ピーマンに乳首をデコピンされ続けているユリネは、自分から胸を突き出している。
「もっと強いのがいい?じゃ。」
ピーマンは魔物の右乳首を親指と中指で挟み、ギューッとつねりながら引っ張り上げていった。
「うぐううぅ…。」
乳輪が激しく変形し、乳首が潰され、その先端を爪の先でカリカリ引っ掻かれながら、信じられないぐらいの長さにされている。
「まだまだぁ。」
さらに強くつねり、容赦なく引っ張った。
「ぐううううぅっ!」
魔物は祭壇に敷かれた草木のマットを掴み、握りしめて耐えている。
パッ、とピーマンが手を離した。乳首は何事も無かったかのように元の位置に戻った。