第一話:私の彼を取らないで-6
「も、もう・・・無理ですぅ」
「アラァ!?もうお終い?」
ママは、まだ物足りなさそうな表情をして居ましたが、私は、これ以上彼の精気を吸い取ると、彼はひ弱だから、入院しちゃうんじゃないかと思いました。
「ママ、その辺で勘弁して上げたら?」
「そうね・・・ウフフフ、最後に、今私と気持ち良い事した記憶を・・・」
ママは、サキュバスの力を使い、今エッチした記憶を、彼から消去しようとして居ました。私は慌ててママを呼び止め、
「待って、ママ!ついでに、彼が私と付き合って居た記憶も消しといて」
「エッ!?どうしてぇ?彼、良い子そうよ?」
「ベェ〜!彼女が傍に居るのに、ママの誘惑にあっさり負ける彼氏何か・・・要りませんよぉだ」
私は、彼の事が急速に冷めてしまい、私と付き合って居るという記憶を、ママに頼んで彼から消して貰う事にしました。幸い、学校で私達が付き合って居る事は、まだ誰にも話していませんでした。ママは、少し驚いた表情で、
「あらあら、千聖ったら、そういう所ドライよねぇ?」
「何とでも言って・・・じゃあママ、ヨロシクゥ!」
「ハイハイ・・・ゴメンねぇ、あなたの記憶を弄らせて貰うわ」
ママはそう言うと、彼の額に自分の額を合わせました。ピンク色の輝きがママと彼の周囲に発生すると、彼は幸せそうな表情で眠りに付きました。ママは私に右手でピースすると、
「終わったわよぉ」
「ありがとう、ママ・・・でもこれからは、私が新しく作った彼氏を誘惑しないでよ?」
「大丈夫よ、今の時期だけだから・・・それより、この子どうするの?」
私は、ママに聞かれてちょっと考えました。このまま家に置いておいたら、彼が起きたら何故此処に居るのかって話になっちゃうし、私はベランダに出て外を見渡すと、マンション前の公園が目に付きました。私は再びリビングに戻ると、ママに話しかけ、
「ママ、彼を取り敢えず、マンションの前の公園のベンチにでも寝かせて置いて」
「フゥゥン・・・じゃあ、この子転送しちゃうわね」
ママはそう言うと、マンション周辺を自分のテントリーにしました。簡単に言うと、サキュバスの力で、マンション周辺を、ママやママが許した人以外が近づくと、無意識の内にその場所に近づくのを避けるそうです。ママはその間に、彼を公園のベンチに転送したって事ですね。私は双眼鏡を手に持ち、ベランダに出ると、ベンチに寝て居た彼の様子を伺いました。目を覚ました彼は、何度も首を傾げながら、不思議そうにマンションから離れて行きました。私は思わず溜息を付きながらリビングに戻り、
「ハアァァァ、今度は、ママの誘惑何かものともしない彼氏見つけようっと」
「まあ!?そんな彼、居るかしらねぇ?」
「きっと居るもん!」
私はそう言うと、ママに軽く舌を出し、ママはそんな私を見て、クスクス笑って居ました。