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いただきまーす!イケてる新入社員アオヤマ君
【女性向け 官能小説】

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ボロリン、と飛び出したそれ-1

 私の自宅は、いわゆるタワーマンションの最上階だ。
 地下でつながっている別棟には、プール、ジムはもちろん、レストランが三つ、映画館が二つ、コンビニが四つ、マッサージ、鍼灸、ビリヤード、卓球、マンガ喫茶などなど、全て使い放題。もちろん、24時間営業。
 駐車場は三台分。空いていれば追加も出来る。空いてなくても追加できる。方法は秘密。私は五台停めている。
 クルマのラインナップ聞きたい?聞きたいよね。しょうがないなあ、教えてあげる。
 普段のアシにはフィアット500、通称チンク。ルパンが乗ってたやつ。小回りが利いて便利なの。
 天気のいい日にヤマに遊びに行くのはユーノス・ロードスター。初代の、ライトがパカパカ開閉するやつね。通称NA。
 ちなみに、初代から現行モデルまでのシリーズ累計で、2人乗り小型オープンスポーツカー生産数世界一としてギネスに載ってる。
 もひとつちなみに、現行モデルはつい先日世界で最も美しい車第2位に選ばれマシタ。1位はジャガーXE。納得いかん。
 長距離移動にはBMWのM3。ラクなのよ、パワーあるから。クルコン、レーンキープ利かしてゴー。
 真夜中にホンキでゴニョゴニョする用はスバル・インプレッサSTI。ランエボよりも私にはこっちの方がフィーリングが合うみたい。
 最後はホンダ・ステップワゴン・ハイブリッド。はあ?って思うでしょ。私も本当は乗りたくないんだけど…同期連中とかと大勢で賑やかに遊びに行くにはちょうどいいのよね、ミニバンって。運転するのは屈辱だけど。
 どう?意外でしょ。おポルシェやオベンツやおフェラーリは一台も持ってないの。ある程度クルマ好きな人なら上記のラインナップで私がどういうオンナか想像つくかもね。
 というわけで。クルマの話が随分長くなっちゃったけど…。
 かなりのお嬢様でございます、私。自分の給料じゃ、逆立ちで火星まで行ったって払えるはずのない金額の部屋に住んでマス。
 でもね、このマンション、全室埋まってる。世の中、どんだけ金持ち居るのよ、って感じ。最上階の私が言うなって?
 さて、そろそろ彼が来る時間だ。準備はもう整えてある。
 シャワーした、ベッド整えた、お茶お酒おつまみ、それとすぐ出せる軽食。
 管球式アンプは十分温まっている、レコードの静電気除去した、スピーカーの暖気した、接点清掃、ケーブル引き回し確認、インシュレータ調整…。ん?そこに力入れなくてもいいんじゃないの、今回の場合。
 今回の…場合…。今回…。
 このあと行われる事を考えただけでジワーっとしてきた。もう一度シャワーしようかなあ。せっかくお気に入りの下着や部屋着が汚れるのもなんかイヤだし。
 といっても、フツーの半袖トレーナーと膝丈スウェットスカートなんだけどね。色は薄い水色。あんまり気合入りすぎの服装だと引かれるんじゃないかと思って、ラフ目にしてみた。
 セミロングの髪は、家ではいつも軽くタオルドライして放っておくんだけど、今日はきちんと乾かしてサラサラーっと流してみた。染めてないので真っ黒。
 ちろりろりーん、ちろりろりーん。
 エントランスからのチャイムが鳴った。
 ピンポーン、なんて安っぽい音はしないの、このマンション。
 カメラの向こうには間違いなくアオヤマ・ユウイチ君がいる。彼の顔を見た瞬間、胸がジク、っとした。
 ロックを解除した。
 「どうぞ。」
 「あ、はい、おじゃまします。」
 まだエントランスだってば。
 タワーマンションに住んでるって言うと、ほぼ全員がエレベーターが時間かかるんじゃないの?って訊いてくる。
 ざーんねん。低層階、中層階、上層階、そして最上階直通、と何本ものエレベーターが有るの。まあ、特急みたいなものね。各駅停車じゃ確かに時間かかるけど。
 というわけで、アオヤマ君はあっという間に玄関にたどり着いた。
 ちゃりりらーん、ちゃりりらーん。
 ピンポーン、なんて安っぽい音はしないの、私の部屋。
 「どうぞ、入って。」
 「お、おじゃまします。」
 ガチガチだ。うーん、可愛いわあ。そこそこ身長のある私より頭いくつか大きいくせに。
 「おーい、しっかりしろ、サッカーで鍛えたんだろ!フィールドの芝を思い出しなさい。気合いだ!」
 彼の顔に少し赤みがさした。
 「というわけで、さっそく。」
 赤みが引いた。
 「ウソ。とりあえず座って。」
 ソファーを進めた。
 「おぅっ…。」
 ふかふかソファーに慣れてないみたい。危うくひっくり返りそうになったが、鍛え上げられた腹筋が転倒を阻止した。うん、やっぱりイケてるわ、この子。
 仕事の時とは違って白Tに青ジーンズだから余計スポーティに見えるのかもね。少々古いファッションな気もするけど、彼の場合、ヤボったさは微塵もない。ついでに言うと、玄関にきちんと並べて脱がれているスニーカーも、サイケな配色なんかじゃない、シンプルで好感のもてるものだ。
 胸板はスーツの上からの予想通り、バールの様なもので強打しても平気そうなくらい厚い。腕は筋肉で袖が裂けそうだし、ウェストはシャツ越しでも腹筋が深く割れているのが分かる。そして。うーん、大変結構な張り出し具合ではありませんか。
 「あ、そうそう、心配だろうから先に言うね。例の件、段取りついたから安心して。」
 アオヤマ君の顔に光が差した。
 オジョウサマを舐めるなよ。いや、舐めてほし…。


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