最終話:さよなら母さん-3
月日は流れました・・・
あれから、父と母は正式に離婚しました・・・
あの授業参観に出席した母親達とその家族の家庭は、結局全て崩壊しました・・・
健二の話によれば、家の母は鬼塚先輩に捨てられたものの、風俗で知り合った中年男性と暮らしているそうです・・・
武藤の母は、どちらかの子供を身籠ったそうです・・・
佐藤の母は家出をして、竹先輩の女になったそうです・・・
黒岩の母は、未だに風俗嬢として働き、そこそこ人気になり、黒岩は学校を中退して、地方の小さな会社に住み込みで働いているようです・・・
健二の母は、結局安藤だけでは物足りず、安藤を捨てて風俗嬢になり、毎日男に抱かれて、幸せそうにしているそうです・・・
そして、孝子さんも旦那さんと離婚し、一人暮らしを始めました。中野は、私の本心を知り、私と孝子さんの仲を認めてくれました・・・
私の十七歳の誕生日、孝子さんと待ち合わせした私は、待ち合わせ場所の駅に向かう途中、強面の中年男性と、金髪のセミロングの女性が、前から腕を組んで歩いてくるのに出くわしました。その顔は、忘れもしない母の顔でした。母も私に気づいたのでしょう、視線を私に向けました。すれ違う瞬間、目と目でお互いを確認するも、私達は無言のまま擦れ違いました。
(さよなら、母さん・・・せめて、幸せになってね)
私は、もう振り返りません・・・
今は、守りたい素敵な女性が出来たのですから・・・
完