色-8
「あの3人は慌てたか?」
えっと・・・メールを見られること前提だった?
「美鈴と付き合うのにあの3人の暗黙の許可が必要だからな」
それでも楽しそうに笑う。
「許可?」
「あの3人は自分たちが許可しない相手だったら
今日のデートも仕事でつぶしてただろ」
やりかねない・・・
「社内でも居酒屋でも、例の3人が美鈴の周りを上手く囲んで
変な男が手を出さないように、さりげなく見張っている」
え!そうだったんですか?
「話して仲良くなろうにも、あの3人が近づけさせない」
キィ〜!合コンの日に限って残業していたのもあの3人のせいか!
思い当たることが多すぎて、舌打ちした。
そんな私を安達さんは苦笑いする。
「だから、あの日居酒屋の座敷から出たところで
美鈴に会ったときに、すぐに仕掛けた。
今抜け出さないと、チャンスはないと思ったから」
そう、なんだ。
「家まで連れてきたはいいけど。
1回はやっぱり逃がしてやろうと思い直して」
「なんでっ?」
「いきなり大人の恋をするよりも同期なんかと楽しい・・・メモの?
オフィスラブをしたほうがいいだろうと思ったんだ」
安達さんは「メモの?」というところで笑った。
「それなのに、俺の事を煽りやがって」
あの日、最後の最後でモーションをかけたのは私。