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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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「予約してくれたんですか?」
「どうせなら夜景をとことん楽しもうと思って」

うん。楽しんでいます。
とことん、楽しんでいます!

料理とシャンパンが運ばれてきて。

乾杯したシャンパングラスには、その向こうの夜景が光っていた。

「で?足は平気?」

少しいじわるそうな顔で、笑いながら聞く
「え?」
「その靴。履きなれてないだろ」

せっかくおしゃれして履いてきたヒールの高い靴は
安達さんにはお見通しで
「・・・・」
何も言えない私に
「俺とのデートで無理させてなきゃいいんだけど」
グラスのシャンパンを飲み干した。

「だから?」
「ん?」
「だから、中華街に行くのはやめたんですか?」
「まぁ、ね。あのコースはどうしても歩くからな」

会ってすぐに、私の足元からコース変更までしてくれるんだね。

「ごめんなさい」
「謝ることはない。俺のためのおしゃれだろ?」

私の髪をひと房とって、その髪にキスをする。

「薔薇も楽しかったよ」

髪を離して私の頭に軽く手のひらを当てて
そっと引き寄せたほほにキスをした。




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