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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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あまりにもきれいな西洋風の庭に
市内にこんな素敵なところがあったなんて。と
びっくりした。

一通り見た後、洋館のカフェでお茶をして
窓から見える薔薇と、目の前の良いオトコに嬉しくなって
いつもより言葉が弾む。

経管での失敗談や愚痴や面白話を
一人で話して、その話を安達さんがくすくす笑う。

「あの3人は社内で有名だもんな」

真夏が過ぎて、秋の心地いい風が吹き始めた近頃は
すっかり日の入りも早くなって
話に夢中になっていたら、外は夕焼けに染まっていた。

数時間前に見たきれいな青空の薔薇は今は朱い夕日に照らされて、
丘から見る夕日に朱く染まった横浜港もそれはそれは綺麗だった。

「すごい」
「うん。きれいだな」

私の手をそっと握って私を引き寄せる。
その行為があまりに自然で
いつまでもこの場所に居たいと思った。

夕日の時間はあまりにも短くて
「真っ暗になる前に移動しようか」
と、二人でゆっくりと丘を下った。

山下公園に降りてきて、海のほうへ向かう。
「どこに行くんですか?ランドマークに行かないんですか?」
そう聞く私に、ニヤッと笑って

「船で行かないか?」

いたずらっ子のようにワクワクした顔で乗り場まで来た。

「シーバスですか。乗ったことないです」
「俺も」





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