♠刺激的な女♠-3
だって、俺はてっきり松本が、小野寺くんとあの男の毒牙にかかってしまう所だと思っていたのに、目の前にいたのが、
「び、美女!?」
ーーそう、息を呑むほどのいい女が松本と対峙していたからである。
「……誰、アンタ」
その美女は、俺に向かって鋭い睨みをきかせてきた。
うひゃー、そんな怖い顔すら綺麗過ぎるだろ。
サラサラの長い髪、切れ長の瞳。
小野寺くん達に殴り込みをかけに来たのに、思いもよらない美女の存在に、顔が勝手に赤くなってしまう。
ゴリゴリの男らしさが売りの俺は、実は女にあまり免疫がないのであった。
そもそも俺が、松本みたいなすげえ可愛い女の子に告白できたことすら奇跡だってのに。
そんなウブな俺がこんな美女を目の前にきたら、挙動不審になってしまうのは仕方がないことで。
「いや、あの、俺……僕は、松本さんを助けに……」
「松本? この娘?」
両手の指を絡ませながらモジモジしているうちに、ようやく本来の目的を思い出した。
そうだ、俺は松本を助けに来たんだった!
我に返って、美女と対峙していた松本の方に慌てて向き直る……と。
「し、下着!?」
店の隅っこで小さく身を震わせている松本の姿は、なんとブラジャーとショーツだけという、あられのない格好だったのだ。
目が合うと、松本の顔も一気に赤くなる。
いや、顔だけじゃなく身体もみるみる内に紅潮していくのがはっきりわかった。
淡い水色のブラジャーに寄せられた胸は、結構デカイ。
腕とか脚とかめっちゃ細いくせに、谷間がはっきり見て取れる。
思わず反射的に生唾を飲み込んでしまう俺に、松本の大きな瞳はみるみるうちにつり上がって、そして俺を思いっきり睨みつけた。