届きかけた届かない想い-2
奈緒は圭の着替えを持って脱衣室に入ると浴室のドアのすりガラス越しに圭がシャワーを浴びているのがわかった。
「着替えをおいておくわね!」
そう声をかけようとした時
「お姉ちゃん・・・・」
圭の声がしたので返事をしようとした時
「お姉ちゃん・・・・何で結婚するんだよ・・・・俺・・・・俺・・・お姉ちゃんの事・・・・好きなんだ・・・・何で俺は・・・・弟なんだよ・・・・何で俺は・・・・もっと早く生まれて来なかったんだよ・・・・」
圭の嗚咽が聞こえて来た。奈緒も同じ思いだった・・・・何で圭の姉なのか・・・・何で圭よりも12年も先に生まれてしまったのか・・・・自分の境遇を呪ったりもした・・・・
(圭も私の事・・・・)
圭も同じ思いで悩んでいる事を知った奈緒は無意識に手を浴室のドアへと伸ばしていた。そのまま中に飛び込んで行って圭を抱き締めてしまいたかった・・・・圭が望むなら全てを圭にあげたいと思った・・・・圭への恋心が溢れ出そうになるのをかろうじて押さえ込んでいた奈緒の心のダムにヒビが入っていくのを感じていた・・・・
(圭・・・・圭・・・・)
しかし、教師としての自分が・・・・姉としての自分が・・・・溢れ出そうになる圭への恋心を押さえ込んだ・・・・
「圭?着替えを置いておくわね・・・・」
圭の告白を聞いていなかったように平静を装い声をかけた・・・・
「えっ?う、うん・・・・ありがとう・・・・」
圭もまた泣いていた事を奈緒に気づかれないように平静を装おうとした・・・・しかし、二人とも動揺は隠しきれなかったが、動揺していたために相手の動揺には気づけなかった・・・・
「お姉ちゃん・・・・お風呂空いたよ・・・・」
圭はキッチンで洗い物をしている奈緒に声をかけた。
「湯冷めしないように温かくしてなさいね・・・・」
奈緒は洗い物をしながら振り返らずにこたえた。
「うん・・・・おやすみ・・・・お姉ちゃん・・・・」
「おやすみ・・・・圭・・・・」
圭が階段を上って行く足音を聞きながら
「こんなに後悔するのわかっていたのに・・・・何であの時・・・飛び込んで行けなかったのよ・・・・」
奈緒は教師として・・・・姉として・・・・自分の立場を言い訳にして臆病な自分を正当化していた事を後悔していた・・・・
「お姉ちゃんに聞かれなかったよな・・・・」
圭は奈緒が着替えを持って来た時の独り言を聞かれなかったかを気にしていた。風呂から上がった時の奈緒の態度に変わったところはなかったように思えたが、いつもだったら顔を見て答えてくれていたような気もしていた・・・・
「気のせいだよな・・・・もし、聞かれていたら返事もしてくれないよな・・・・お姉ちゃんの事を好きになる俺みたいな変態としゃべりたくなくなるよな・・・・」
圭は自分にそう言い聞かせていた・・・・
奈緒は風呂に浸かりながら圭の事を考えていた。
「圭の事を考えたら、やっぱりあれが正解だったんだよね・・・・」
あのまま圭の胸に飛び込んでいたらきっと圭に抱かれていた事だろう・・・・もし、そうなればこれからどうなる?周りのみんなに内緒で関係を続ける?そんな事が出来るとは思わない・・・・初めのうちはバレずにすんだとしてもいつかはきっとバレてしまう・・・・内緒で関係を続けるなんて出来るわけがない・・・・バレてしまえば・・・・圭の人生が終わってしまう・・・・自分はそうなっても構わない・・・・でも圭にはそんな事になって欲しくなかった・・・・それなら今すぐ駆け落ちして、誰も自分達が姉弟だと知らない所で夫婦のように暮らす?それこそ夢物語だ・・・・圭の将来を潰す事になってしまう・・・・
「これでよかったのよ・・・・」
奈緒は自分にそう言い聞かせた・・・・
(お姉ちゃんは今、風呂に入ってる・・・・覗きに行けば・・・・思い出せないあの部分を見る事が出来る・・・・今なら・・・・)
何度も圭ほそう考えた・・・・そう考えたが行動に移せなかった・・・・奈緒に嫌われたくない・・・・そんな思いが圭の行動にブレーキをかけていた・・・・今の圭に出来るのは奈緒の裸を思い浮かべて自分で慰める事だけだった・・・・目を閉じれば簡単に思い出せた・・・・綺麗な背中や引き締まったお尻・・・・そして大きくて魅力的な乳房・・・・
「お姉ちゃん・・・・綺麗な背中だね・・・・スベスベして気持ちいいよ・・・・お姉ちゃんのお尻・・・・こうやってずっと撫で回していたいよ・・・・お姉ちゃんのおっぱいやわらかいんだね・・・ねぇお姉ちゃんのおっぱいにキスしてもいい?」
圭はぺニスを握りしめながら想像の中の奈緒に話しかけていた・・・・
奈緒が風呂からあがり自分の部屋に向かう途中で圭の部屋の前を通りかかった時に
「お姉ちゃん・・・・」
そう呼び掛けられた気がした。
「なあに?」
そう答えた時
「綺麗な背中だね・・・・スベスベして気持ちいいよ・・・・」
(えっ?)
奈緒は気になって、音をたてないように部屋のドアを少し空けて中を覗いた。圭は目を閉じて大きくなったぺニスを握りしめていた・・・・
(あっ!)
奈緒は思わず声をあげそうになった・・・・
「お姉ちゃんのお尻・・・・こうやってずっと撫で回していたいよ・・・・」
(ええ・・・いいわ・・・・好きなだけ撫でていいのよ・・・・)
奈緒は両手で自分のお尻を撫で回して圭に触られているような感覚におちいった・・・・
「お姉ちゃんのおっぱいやわらかいんだね・・・・」
(そう?遠慮しないでいいのよ・・・・もっと触って・・・・)
奈緒は右手をパジャマの中に入れて自分の乳房を揉みしだいた・・・・
「ねぇお姉ちゃんのおっぱいにキスしてもいい?」
(もちろんいいわよ・・・・)
奈緒は右手の人指し指と親指で自分の乳首を優しく転がした・・・・
(次はどこ?)
奈緒は次に来るであろう場所を想像して期待に震えていた・・・・