家政婦の始まり-6
倒錯した世界に嵌り込んだエレナの肩に腕を回して脱衣室に連れ出してあげていた。新調したバスタオルを渡し、後で上がるからリビングで待ってなさい。と促してその場を後にしていた。
ようやく一人になれた湯船で、昨夜から続く慌ただしい一日を労わるように大きく身体を伸ばして寛ぎ始めていた。換気窓を開けて遠くの喧噪に耳を傾けて緩慢に過ぎる時間を楽しむように大きく息を吐いて身体を休めていた。換気扇から聞こえる南国の鳥の鳴き声が、海外で暮らす今を教えるように心地よく浴室に響き渡っていた。
エレナは若い。
若いからこそ倒錯した世界に没頭するように嵌ってしまうのだ。ダリアに嫉妬する独占欲の強さも若さの象徴そのものだった。抜群のプロポーションの21歳に文句は無いが、それでも、主従関係をもう一度教え込む必要があることを理解していた。
おそらくエレナはあらゆる変態行為を受け入れるだろう。エレナはまだ21歳だ。このまま暮らすとエレナから男の身体を求めてしまう日常も起こりかねない。主導権は常に自分が持つ必要がある。可愛らしいエレナを育てるために敢えて厳しく躾けをしてあげる必要を理解していた。
湯船から身体を起こし天窓を見上げて大きく身体を伸ばし、これから始まる主従関係を教える卑猥行為に備えて身体を綺麗に洗い直して浴室を後にしていた。