帰郷-2
「ゴメン・・・・ちょっと言い過ぎた・・・・早苗姉は僕の事を心配してくれたのに・・・・」
「ううん・・・・私じゃ・・・・ゆかりちゃんの代わりになれないけど・・・・いいよ・・・・」
早苗はブラウスのボタンを外し始めた・・・・
「早苗姉?」
「いいよ・・・・私をゆかりちゃんだと思って・・・・抱いて・・・・」
早苗はブラウスを脱ぎ捨て、スカートも脱いで下着姿になって寝転んだ。恥ずかしそうに両手で顔を隠していた・・・・
「早苗姉・・・・」
航は両手を伸ばして早苗の肩に手をかけた・・・・その瞬間早苗は体を固くした・・・・航は早苗の体を起こして抱き締めた・・・・
「ありがとう・・・・早苗姉・・・・気持ちだけ受け取っておくよ・・・・」
「私・・・そんなに魅力ない?」
「そうじゃない・・・・その証拠にほら・・・・」
航は早苗の右手を掴むと自分の股間に導いた。航のそれは大きく固くなっていた・・・・
「もし・・・・生きて帰って来れたら・・・・その時・・・・改めて考えるよ・・・・だから今・・・・こんな気持ちで早苗姉を抱く事は出来ないんだ・・・・ゴメン・・・・」
「ううん・・・・謝らなくてもいいよ・・・・ありがとう航君・・・・私の事を大切に思ってくれて・・・・でも・・・ゆかりちゃんに気持ちを伝えなくてもいいの?」
「言えるわけないだろ?実の姉を好きになるような変態だったって思われるだけなのに・・・・」
「でも・・・もう会えなくなるかもしれないんだよ!気持ちを伝えなくても後悔しない?」
「それは・・・・・」
「ゆかりちゃんが受け入れてくれる保証なんてないわ・・・・でも・・・・」
「早苗姉はやっぱり優しいな・・・・早苗姉を好きになればよかった・・・・」
「それは私の事を好きじゃないって言ってるようなものよ!」
「そんな事ないよ!僕は早苗姉の事を・・・・」
「ありがとう・・・・でもそれは女として愛してるわけじゃじゃないのよね?」
「うん・・・・」
航は小さく頷いた。
「正直でよろしい!応援するよ!例え人の道に外れていても航君の恋を!」
早苗は航の頭を撫でた。
「早苗姉・・・・」
航は早苗を抱き締めて泣いた・・・・
そんな二人の会話を叔母が聞いていた事を二人は知らなかった・・・・
「お爺ちゃん、今晩はゆかりちゃんに航君をあげてね!お爺ちゃんは昨日の夜に航君を独占したんだから!」
叔母が祖父が航を離さなくなる前に釘を刺した。
「昼間は早苗が航君を独占して、ゆかりちゃんは航君とゆっくりお話もしてないんだから!」
「そうだな!姉弟水入らずで話もあるだろうからな・・・・」
祖父は少し淋しそうに頷いた。
「お母さん、今日はお母さんと一緒に寝てもいい?」
早苗がそう言うと
「いいけど・・・・どうして?」
「航君にゆかりちゃんと一緒にすこしてもらいたいから・・・・私がお母さんの部屋で寝れば、私の代わりに航君がゆかりちゃんと一緒にいられるでしょ?」
「そこまでしていただかなくても・・・・」
「航君、遠慮はなしよ!姉弟水入らずでつもる話もあるでしょ!」
早苗が言いたい事は航に理解出来たが、自分の気持ちをゆかりに伝える自信は航にはなかった・・・・
早苗が自分の布団を持って部屋から出て来た時に、布団を運び込もうとした航と出くわした。
「頑張れ!航君!」
早苗は航にだけ聞こえるようにそう囁いた・・・・