愛咲17歳、排泄を覗かれて…-1
「いい若いもんが昼間っからゴロゴロして!」
夏休みを利用して帰省した僕に、ばあちゃんが言った。のんびり田舎の空気を味わおうと思っていた僕は、ばあちゃんによって、公園のトイレ掃除のアルバイトをさせられることになってしまった!
やれやれ、とは思ったが、昔から世話になっているばあちゃんが僕のためにしてくれたことだ。一生懸命働いて、ばあちゃんを喜ばすことが出来るのなら、それでいい。
田舎の公園にあるトイレにしては、ずいぶん先進的な施設だった。一般の個室は別に、多目的トイレと言って、車椅子のまま利用できる広い個室が、男女ともに用意されている。そんなに広い個室があると掃除は大変そうだが、そもそもほとんど利用者が居ないらしく、洗面所も便器も新品同様だった。
定められた手順通りに掃除を終えて、女子トイレを後にしようとした僕の目に、一人の女の子の姿が飛び込んできた。
海老茶のベストに純白の半袖ブラウス、襟には真っ赤なリボンが緩み無く締められている。駅三つを隔てたF女学校の制服に間違いない。
一つ一つ丁寧に折り目が付けられたチェック柄のプリーツスカートは、短く畳まれて、もう少しでパンティが見えそうなくらい、白い太腿を露わにしている。
その腿まで届きそうな長く真っ直ぐな髪は飽くまで濡羽色で、おでこの少し上には青いカチューシャが留められ、そこから降りる前髪は、眉の上で切り揃えられている。
凜とした眉の下に並ぶ、黒目がちな眼は、不機嫌そうにこちらを見ている。
筋の通った高い鼻梁、真一文字に結ばれている薄い唇にも、不満げな様子がこもっていた。
「掃除、まだ終わらないんですか?」
彼女は肘に当てた指をパタつかせながら、片眉を上げて、ねめつけるようにしながら言った。イライラしているのが、はっきり伝わってくる口調だ。
「ああ、今終わりましたよ」
すると彼女は返事もせず、スタスタと女子トイレに向かいだした。失礼な奴だな、と思った僕の隣を通り抜ける瞬間、
「さっさとしなさいよ、このグズ」
僕は唖然とした。そこまで言うのか。しかし、何故だろうか、僕には怒りが湧いてこなかった。その代わり、ちょっとしたイタズラ心が、ムクムクと立ち上ってくるのだった。