愛咲17歳、排泄を覗かれて…-14
それから僕は丹念に個室の掃除を行った。それは容易いことではなかったが、ここで手を抜いてはまずい。少々の時間は要したが、おかげですっかり元通りになった。しかし、彼女はまだ茫然自失としていた。僕は彼女の身体を、持ってきたタオルで拭いてやり、これまた持ってきた男物のパーカーとズボンを着せてやった。
そして最後に、今回の一部始終を録画したカメラを見せつけて、ニッコリ笑いながら「君が黙っていれば、僕も内緒にしておくよ」と伝えた。彼女は床に目線を落としたまま、何も言わず、曖昧に頷いた。それを確認した僕は、依然動こうとしない彼女を後にして、公園を去った。
その翌朝、僕は恐ろしい不安に苛まれていた。彼女が誰かに昨日のことを喋ったのではないか? 彼女の様子から僕の行為を読み取る人がいるのではないか? あるいは彼女が遺書を残して…。当然のこととはいえ、僕は様々な可能性を想像して、独り苦しんでいた。
その不安が少しでも解消されればと思い、僕はまたトイレ清掃のバイトへと向かった。バイトを休むと、かえって疑われるかもしれない、という気持ちがあったのも確かだ。
トイレに辿り着いた瞬間、僕は心臓が潰れるほどの衝撃に襲われた。お巡りさんがいる! 僕は逃げ出すことも出来ず、脂汗を流しながら、その場に立ち尽くしていた。
僕に気付いたお巡りさんが、こちらに駆け寄って、話しかけてきた。昨日、このトイレからおかしな声が聞こえていたらしいのだが、掃除をしていて気付いたことはないか、とのことだった。しまった、ほとんど人が来ないのをいいことに、声の大きさへの配慮を欠いていた。僕がしどろもどろで言葉に詰まり、お巡りさんが怪訝な表情を見せ始めたとき、
「ここのトイレ、使えないんですか?」
高く澄んだ、張りのある声。
腰まで届く、まっすぐ長い髪。
凜とした眉と、強気な瞳。
F女学校の制服に身を包んで、彼女が立っていた。