無色。〜虹〜-4
「寝るの?」
「ん…。」
一華はあくびをする。
「こぼれ落ちる前に捕まえておかなっきゃ…」
崇史は驚いて一華を見ると、彼女はもう…夢の中へいざなっていた。
君が目を覚ましても、ずっとずっと手を繋いでいよう。
零れ落ちないように…
強く強く…。
そして、虹を見に行こう。
2人なら、虹も掴める気がするから。
「俺だって…絶対離さないからな。」
寝息をたてている彼女にそう呟いて、窓から入ってくる風に目を閉じた。
《完》