狂愛者の最後-4
その後稲葉さんはどうしたんだろう。
「…こんな事、したくなかった。」
「風馬君。」
静まり返った夜の公園。
「殺すくらいなら警察に突き出した方がまだマシよ、…巴ちゃんはそう言うけど。」
「首吊ったりしないだろうか…。」
「そんな、滅多な事を…でも。」
稲葉さんの悪友達の悪行は今に始まった訳でなく、彼女も陰で彼らとつるんでいて、これではいくら泣いて事情を話した所で釈放されるとは思えない。
「こんな、あっさりと…。」
「何か変な方向に向かってなきゃいいけど、僕ら。」
「大丈夫だよ。」
とはいえ嫌な方向へ向かっているのは事実。
「次はやっぱりこういう展開になる訳ね。」
「………。」
人気のない場所にじっと構える。
「佐伯、君…。」