出会ってしまった-7
汗を流してサッパリしたワタルは、ユックリと冷たい麦茶で喉をうるおしていた。
「ふう、スッキリした。どうするかな?買い物でも行くか!けど、明日にゃ、おらんよになるのに買い物、いらんか。」
思わず声に出している自分にワタル、少し戸惑っていた。
(参ったな、最近独り言多ないか?いつもか、ホレにしても、俺は何をグズグズまってんやろ?YAYAさんか?あるわけないやろ。まあな、メール一回だけやしな。)
麦茶を飲み干し、ふと、テーブルの上の光るモノが目に入った。
YAYAからのメールだった。
(えっ、うそやろ!本気か?いや、違うわ、聞いて来てるだけや。どうしょ?)
少し迷ったが、返事をだすことにした。
「泣いてくれる奴隷?
ですか?
うーん、わからないけど、わからないな。
いないからね。
それとも、あなたがなりたいなんて、ないわな?
ごめんなさい、調子に乗りすぎたみたいで。」
思わず書いてしまって、ワタルは後悔したが、
(これは、あかんやろ。けど、合わしてみるのもええかな?多分、その気はないやろしな。けど、彼女にその気があったら?楽しみでは、あるけんどな。絶対ないわ。)
しかし、最後は返信が来るわけないわと、送信していた。
半ば期待しつつ、半ば返事が来るわけないとおもいながら、ワタルは外出の支度をはじめた。
エリカが休憩室に上がると、由美がおやつを広げていた。
「宮田さん、美味しそうね。どれがお奨め?」
「あぁ、中本さん。うーん、これかな?私のお奨めは。」
由美のお奨めのロールケーキをケーキ皿にとり、エリカが席についた。
「あっ、これっ、凄い!フワフワなのに、クリームがしっかりしてる。美味しい。」
「でしょ、中々ないわよ、こんなんは。」
由美に無言で賛成しながら、エリカはロールケーキ挑んでいた。
「あぁ、美味しかった。そうそう、中本さん、今日お店終わったら一緒に食事にいかん?私は一人やし、中本さんも今夜はひとりでしょ?」
突然の由美の振りに、驚いたが、
「えっ、そうやわね。いいわよ、宮田さんいきましょ。場所は宮田さんが決めて下さいね。」
由美が面白いものでも見るように、
「あら、付き合ってくれるん?そうやね、うどんはありきたりやけど。帰りには決めとくわ。」