出会ってしまった-3
ガンガンからのミニメールにエリカは、心がザワツクが止められなかった。
(どうしよう?まさか、死なないわよ、でも、釣りよ、釣り!)
しかし、エリカの考えを裏切るように、指先が携帯のうえを滑っていた。
「ほうってなんて、おけませんよ。
死ぬなんて考えないで下さい。
それに、あなたの小説を楽しみにしてる人もいるんですから。」
一瞬、指先が迷ったように止まったが、そのまま送信していた。
(えっ、この娘は俺を止めようって、思ってんのか?まさかな?ほっといてくれたら、ええのに。)
YAYAからの返信にワタルは、少しイラつきながら返事をしようか、迷っていた。
夜勤に出る時間が迫っていたが、ワタルは休むことにして、職場に連絡を入れることにした。
(どうするかな?けど、冷たいナイフの感じが気持ちよさそうやな。このまま、行くかな?)
右手に登山ナイフを握り、すうっと左手の手首に当てていた。
突然携帯がけたたましく鳴り、ワタルは思わず携帯を取っていた。
職場からだったが、風邪を引いて熱があることを告げ、有休を取ると告げ、許可を貰った。
(ふうっ、会社はこれでオッケーやな。YAYAさんか、放っとくか?)
少し遠くを見るように、考えながら携帯に手を伸ばした。
「放っておいてくださいな。
死んでも泣くやつもいないから。」
そこまで打って、ワタルの指が止まった。
(まてよ、俺のことをホンマに気にしてるんかな?試して見るかな、たぶん、断るやろな!断られたら、楽んなるわ!)
ワタルの中に、ホンの少し生への置き火が赤く燻り、チラリと小さな炎が点った。
携帯の上を再び指先が滑った。
「放っておいてくださいな。
死んで泣くやつもいないから。
新聞にも、何にものらないから、YAYAさんにも関係ないからね。
心配してくれてありがとう。
嬉しかったよ、YAYAさん。
ただ、もう一回、熱い時間がほしかったなあ。」
そのまま送信していた。
返事を待ちながら、エリカの中に気づかない変化が少しずつ、彼女の心に影を落とし始めていた。
冷たいシャワーを浴び、ソファーで寛いでいると、携帯の受信ランプが点滅していた。
「うそっ、本気なの?何で、感謝!熱い時間って、なに?」
思わず声に出していた。