出会ってしまった-14
携帯を見ると、待ちかねていたメールだった。
「電話ですか?
良いですよ。
私もあなたとお話しがしてみたかったので、電話まってます。」
思わず、嘘だろ!とさけんでいた。
ワタルは迷いながら、エリカの番号にかけていた。
エリカが、半分睡魔に囚われ始め、ウツラウツラとし始めた頃、彼女の携帯が点滅を始めた。
「もしもし、エリカです。あの、ワタルさんですか?」
少し弾んだ声がワタルの耳をくすぐった。
「初めまして、エリカさん。ちょっと緊張して、明日、大丈夫ですか?泊まりなんですが?」
「はい、大丈夫です。あの、SMって、どんなことをするんですか?」
「えっ、それは、エリカさん。次第かな?好みがあるし、まあ、普通に考えられてる縛ったり鞭で叩いたり、あと、露出、目隠し、あなたが何が好きかによりますね。」
少し言い過ぎたかと思ったが、これでビビるようじゃ先はないなとワタルは考えていた。
ワタルの気持ちを無視したように、エリカの答えは意外なものだった。
「私、小学生くらいから、露出とか拷問に興味があって、高校生の頃にノーパンで学校にいったりしてました。だから、大概のは大丈夫だと思います。」
(ばか、だめよ、安売りしちゃ、でも、ほんまやし。この際知っといて欲しいし。)
エリカの答に、ワタルは、
(うそやろ!けどこれは、ほんもんかな?ほなら、試してみるか?)
「えぇ、そうなんや、ほんなら前にメールで体験したあと連絡がなかったんわ、ものたりんかったんかな?それとも、よすぎてはまりたくなかったん?」
「ううん、アノときは、良かったんよ。初めてあんなに感じたの、けんど、信用できんかったんよ。あなたが、ね。」
「あらま、てことは、他にもあなたを調教したのがいるんかな?」
(あほ、なに聞いてんや!でも、たぶん他にもあたってるで、だから、素直になれんのやろか?まあ、関係ないけどな。どの程度受けとるかやな?)
エリカかが、ワタルより前に誰かが調教を受けていたことに、軽いショックを受けながら、エリカの答えをまった。
「えっ、えぇ、あなたの前にメールで調教受けました。でも、良くなかったです。あなたみたいに全然感じなかったし、気持ち悪かっです。だから初めてだったんです、あんなの。」
彼女の覚悟が見えたような気がした。