出会ってしまった-12
ただ、エリカの中でプライドより、ワタルという男の方に惹かれ始めている自分に、ブレーキがかけられそうにない気がしていた。
「そうですね。
私も、お会いしたいです。
お話しもですが、一度直接体験したいんですが?
ダメでしょうか?」
一足飛びに、何を書いているのか混乱している自分にエリカは、唖然としていた。
(なにこれ?やって下さいって書いてるみたいじゃない!でも、私の望みじゃない、、)
否定しても否定しきれないモノがエリカの中で、目覚め始めていた。
暫く考えていたが、送信していた。
(ん?携帯!エリカさんから?)
少しビールで気持ちよくなり始めたころ、ワタルの携帯が光った。
(えっ、一回体験してみたいって?まさか、いや、本気やろか?ダメ元や、いってみるか?)
エリカのメールに本気を感じながら、そのままは信じられない部分がワタルの中にはあった。
「嬉しいです。
それなら、なるべく早く会いたいですが、良かったらですが、明日か明後日というのはどうですか?
ごめんねさいね、せっかちなもので。
あなたの都合のいい日を教えてくれれば、いいですよ。
それと、
090-****-****
これが俺の番号です。
それと、今晩、メールで体験しますか?」
自信はなかったが、なぜかエリカがOKしそうなきがしていた。
(たぶん、あかんとは思うがな?けんど、なんか不安な気ががせえへんなぁ。なんでやろ?)
ワタルの中になぜか、上手く行きそうな予感がしていた。
(えっ、明日、明後日?親はいないから、大丈夫だけど?)
ワタルのメールにエリカは、自分の望みが叶うワクワク感と、ウキウキした高揚感に捕らわれ、冷静さを失っていた。
「明日ですか?
大丈夫です。
あの、泊まりはダメでしょうか?
両親が旅行でいないので、泊まりがけではだめでしょうか?」
メールをうち終わって、
(良いわよね、泊まりがけの方がユックリできるし。ばか!これじゃ、ただのヤリマンじゃない。どうしよ?)
エリカの中で、普段から自分を隠すために被っているSの仮面がチクリと彼女を刺した。
しかし、彼女のブレーキはかからなかった。
ビールの後片付けをし終わると、ワタルの携帯が光っていた。