Capture of poverty boy-2
連れられて行った「事務所」はこざっぱりとしたマンションの一室だった。
リビングには筋肉質の口髭を蓄えた垂れ目の男が高級そうなソファにくつろいでいる。
「ああ、おまえら。五番と七番の方、巡回に行って、今日は帰ってええぞ」
「へ。じゃ、ラウンド終わらせてきます。兄いのお店の方はどうします」
「わしは、この坊んに聞きたいことがあるんや。こっちはまかしとけ」
「あ、あの。兄貴。わりとわしも興味があるんやけど」
「んー、そうやな。ちょっと気を利かせたらこいや」
「へ。んじゃ、様子見で」
二人の男が出て行った後、筋肉質の口髭はにたりにたりと笑い、翠の姿態を頭のてっぺんから爪先までを凝視した。
「汚ったないなりやな。そんなんでよく男を咥えたもんや。そんなん、何処で覚えたんや、言うてみ」
翠は自分の身体を見下ろした。
だぶだぶの、くたびれ果てたTシャツ、擦り切れたデニムのパンツ。素足にボロボロのスニーカー。見えるところはいいけれど、実は下着は履いていない。
男たちのペニスを咥えながら、翠は自分のペニスも濡らしていた。それだけではなく、淫門も疼いていた。その淫水がパンツを濡らしている。
「まあ、脱げや。坊やの「商品」ってものを見なくちゃな」
翠は躊躇する。しかし男の目は有無を言わさない冷酷な視線で翠の身体を突き刺す。
翠はおそるおそる、シャツとデニムをその場で脱いだ。
もちろん、下着がないからすぐに全裸になってしまう。
蛍光灯の下に浮かび上がる、鳶色の肌。
痩せてはいるが、年ごろの少年らしい肉付きは健康で、その乳首は蜂蜜色の肌の上で紅く染まっている。うっすらと浮いたあばら骨のラインはその筋の人間には堪らない色香を放っていた。
「ああ、いいなあ。こりゃ商品になる。坊ん、お前のしている事は立派な経済や。悪くないで。あん?よう喋らんかい。オシちゃうやろ。坊ん、お前何やっとった」
「……あ、あれ、してましたっ」
「んー?「あれ」ってなんや。どう歓ばしたんや。あんじょう言うてみ」
「……お口で。舐めて」
「ちゃんと「魔羅」言うたらんかい。魔羅を舐めてしゃぶった。で、精液は飲んだんかい」
「………の、飲みました」
「ここが問題やな。坊ん、それ、旨かったんか?」
「あま………い。熱くて、甘い」
「ザーメン、好きなんやな。舐めてえ、しゃぶってえ、飲むのが好きなんや。違うか?」
「……お金、貰えます、からっ」
「ふーん。坊ん。それ、「売春」やで」
翠の三白眼が大きく見開かれる。白眼の勝った瞳は奇妙に蠱惑的だ。
「知……知ら、ないですっ。ただ、気持ち良くして、あげてた」
「それを「売春」言うんや」
「…………………………………………」
「ま、ええ。坊ん、ちょっとやってみ」