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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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悪夢のエスカレート-5

人気のない暗い公園、そこで私達を案内し終えると彼は振り向き両腕を広げる。

「何の真似よ?」
「何ってお前らの本気度を試してんだよ。」

それって、まさか。

「ほら!突き落せよ!今ここでそれをしても誰も見てないから。」
「あたる…。」

彼は本気だ。

気の狂った佐伯君に対し巴ちゃん達はひたすら膠着し。

「…なぁーんだ、やっぱり出来ないんだろ、ったくこれならば。」

そう達観する彼に巴ちゃんはツカツカと前へ出て。

「巴ちゃんっ!」

パァン!!

彼女のビンタの音がこの静寂な夜の公園に鳴り響く。

「……私達は、諦めないから!」

何を諦めないのか、色々と考えつくけど、それ以上何をするでもなく彼を一人取り残しこの闇に包まれた公園を後にした。

「諦めない?それはこっちの台詞だよ?」

私達はこの時その言葉の意味を正確に理解していなかった。

まさかその言葉があんな恐ろしい事件への前触れとも知らずに…。

次回、66話に続く。



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