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幽霊と一緒
【コメディ その他小説】

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幽霊と一緒 〜登校編〜-2

「まぁ役人って言うより責任者だよ」
こいつが責任者か……世も末ならぬ“あの世も末”だな
「で六つの中のどれを担当しているんだ?」
どうせたいしたところじゃないんだろ。‘国道’とか(そんなものはない)
「全部」
ブッ!!
思わず味噌汁を吐き出してしまった。
「汚いなぁ〜」
疾風が眉をひそめながら言った。自分の発言が原因とは思っていない
「お、お前が六道全てを管理してるってことか?」
零は咳き込みながら喋る
「そう。だから死神も一応は管理下にあるんだよ」
(疾風って実はかなり偉い奴なんじゃないのか?)などと思いながら疾風を見ていると、
「ん?やっと俺の凄さがわかった?」
納豆を混ぜながら勘違いしている。それよりも納豆は食べるのか?食べないのか?
「わからないな。そんなことよりさっさと学校に行くぞ」
食器を台所にたたき込み出発の準備をする。
「先に行くからな、食べたらすぐに家を出ろよ。ご飯茶碗には水を流すんだ、あと玄関の鍵も忘れるなよ」以外と細かい……というか丁寧な零だった。
「あ、もう食べたから今から行くよ」
疾風も立ち上がり準備をし始めた。食卓の上には納豆が残っている……
「あれ、納豆は食わないのか?」
「混ぜてただけだから」
と笑いながら言う疾風の頭を全力で叩いてから家を後にした。

今は大抵の学生が学業に励むため学校に向かう時間帯。そこに何とも変わった二人組が道を歩いていた。
「まったくこのアホは…」
零が不機嫌な表情で前を歩いている。
「だからって殴ることは無いよな〜」
疾風が頭を撫でながら文句を言う。この場合は零にまったく非が無いわけではないが、ほぼ全ての原因は疾風にある。
「理由も無しに殴るなんて最低だよ」
どうやら疾風は“掻き混ぜ終えて家を出ようとしたら殴られた”と思っているらしい。いわゆる“文化の違い”と言われるやつだ(少し違う)。
疾風の文句を聞きながら
(うざい。除霊したい…)などと思い幾度か除霊を試みようとしたが零の能力でも不可能だった。どうやら疾風はそうとう高い力を持っているらしい。
零はブツブツと文句を言い、疾風はペラペラと文句を言って互いの状態をオーラで放っている。周りから見れば二人とも危ない人である。

零が正常な精神を取り戻した時にはすでに学校の校門に着いていた。零は他の生徒達がなぜか自分と疾風の二人を避けているのに気が付いた。中には指を差している者もいる。さすがにおかしいと思い疾風がいる後ろに振り向き、
「なぁ、はや………!!」
と小声で言った瞬間に零の頭がフリーズした。別にヘラヘラ笑っているだけなら驚きはしないし周りも避けはしないだろう(多分)。
僕の頭がフリーズした理由は
[疾風が宙に浮いている]
ことだった……。浮いているといっても30センチ程だが。しかも本を読みながら浮遊しているのだった。本のタイトルは[お経大全集]と書いてある。
 「幽霊なのに!?」
などとキレの良いツッコミをかましている場合ではない。すると疾風は気が付いたのか本を閉じ
「あ、着いた?」
そう言うと地面に下り、背筋を伸ばし「ファア〜」とあくびをした。自分の愚行に気が付いていないのだろうか?
「なぁ」
「ん、どうした?遅刻するよ」
それも大事だがまずはこいつにある‘誓い’を立てさけなければ。
「一つだけ守ってほしい約束がある」
出来る限り丁寧な口調で疾風に言う。


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