13.デザートは甘いリンゴで-3
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パールレッドの軽ワゴン車が一軒のラブホテルに入っていった。
大きなバスタブに美穂と誠也は向かい合って入っていた。
「いやあ、びっくり仰天」
「あたしも」
「美穂……さんは聞いてなかったの? 叔父さんの増築の計画」
「わざとらしく『さん』付けで呼ばないでよ」美穂は笑った。
「増築のことは一言も聞いてない。でもほんとに夢みたい。あたし嬉しい」
「俺もだよ。まさかこんな展開になるなんてね」
バスタブの中で濡れた身体を抱き合い、美穂と誠也はキスを交わした。
バスルームから出て身体をローズピンクのバスタオルで拭きながら美穂が言った。
「ねえねえ、誠也」
「なに?」
「あなたあの子に手を出したりしてないの?」
「真琴ちゃんに?」
「そう。家庭教師の時、部屋で」美穂は誠也の鼻をつついた。
「秘密」
誠也はいたずらっぽく笑った。
ベッドに移った二人は、すぐに抱き合い、熱いキスを交わした。
「一度だけだけど、真琴ちゃんにキスされたことがあるんだ」
「え? ほんとに?」美穂は誠也を睨み付けた。「あなたじゃなくて真琴の方からそんなこと?」
「俺には理性があります」
「で、それでムラムラきちゃって真琴を押し倒した」
「そんな陳腐なエロ小説みたいなことしないよ」
頭の下で腕を組んで、誠也は天井を見上げながら笑った。
美穂はそんな仰向けになった誠也の身体に馬乗りになり、その厚い胸に両手を突いて押さえつけながら、彼の顔を覗き込むようにして睨み付けた。
「あたし以外の女とキスしたなんて! お仕置きしなきゃ」
誠也はそのまま嬉しそうな顔をして、目を閉じ唇を突き出した。美穂はそれに応えて誠也に覆い被さって乱暴なキスをした。
「今日はあたしが上ね。いいって言うまでイっちゃだめだからね」
美穂はそう言うと、誠也のすでに硬くいきり立ったものを掴んで口にほおばり、ぴちゃぴちゃと音を立てながら出し入れした。
「み、美穂っ! 激しいよ」
口を離した美穂は上目遣いで言った。
「イきそうだった? 誠也」
「まだまだ」
誠也は言って、美穂の身体を抱えて仰向けにした。そして大きく両脚を抱え上げて、その秘部に口を寄せた。舌を大きく動かしながら誠也は谷間の入り口の隆起した粒を責めた。
「あ、ああん……」
美穂は仰け反り甘い声を上げた。
ゆっくりと時間を掛けて誠也はその行為を続けた。いつしか美穂の全身に汗が光っていた。
口を離してのしかかってきた誠也の鼻をつまんで、赤い顔で息を弾ませながら美穂は言った。
「あたし、イきそうだった……」
「美穂の喘ぐ声、俺大好き。もっといじめたくなる」
「もう!」
誠也はバタンと仰向けになって、美穂を促した。「はい、お仕置きしてください」
美穂は困ったように笑って誠也にまたがり、その中心にあるものを手で握って自分の秘部に導いた。
「ああ……」誠也が顎を上げて喘ぎ始めた。
少しずつそれは美穂の身体の中に入っていった。美穂も誠也もその瞬間が大好きだった。いつも時間を掛けてその繋がり合い一つになる行為を味わうのだった。
「熱い……熱いよ、誠也」
「気持ちいい、美穂……」
深く結ばれた二人は抱き合ってキスを交わした。口を交差させながら何度も舌を絡め合い、唇を挟み込んだ。二人の唾液が一緒になって、下になった誠也の頬を伝う。