つよがり〜終わり〜-1
いつも素直になれなくてごめんね。
もっとやさしく抱きしめてあげたかった。
いつもの待ち合わせ場所。
今日は君の姿が見えない。
ありがとう。
一度も言えなかった。
ごめんね。
気持ちに応えられなかった。
いつも一緒にいたから、
君がいてくれて当たり前だって思ってた。
愚かな自分。
悲しい顔をして
サヨウナラ。
なんて言うから。
冗談だと思って笑い飛ばしていた。
君の気持ちに気付けずに。
もっと君は甘えたかった?
もっと抱きしめて安心させてほしかったんだろう。
消えてなくなった二人の道。
今思えばぎこちなく繋がりあってたね。
君の声も
肌のぬくもりも
二人歩いた街の香りも
消えていく。
うすれていく。
愛してるって言えばよかった。
がむしゃらに抱きしめればよかった。
一人
君の名を叫んでみる。
響く声は戻ってこない。
明日君はどう感じているんだろう。
ぽっかり空いた穴に気を留めてくれるだろうか。
それとも知らない誰かに抱かれているのだろうか。
僕のことを思い出してくれるだろうか。
出会った時の決心が揺らぐ。
弱い男。
夕焼けの中で、いつもの道を一人歩いた。走った。走った。
探しても君はいない。
戻るべき道へ帰ってしまったから。