第7話-5
その一件以来、元紅百足のメンバーは沙耶香に付きっ切りになる。
特に数人の女メンバーの心酔はすさまじく、まさに親衛隊と言えるものだった。
朝、バイクで向かえに来て学校へと乗せていく。
帰りも校門前で挨拶をして家に送る。
諸橋に呼び出されたときなど、集会場では常に周りを固める。
沙耶香は心底、辟易した。
何度やめろと言っても、やめようとしない。
何時しか諦めて、便利なのは事実だしとりあえず利用してやろうと流された。
ただし同時に自分で免許を取ることを誓う。
こいつらにも諸橋にも他人の単車に乗せられるのはもう嫌だった。
可能な限り大きなものに乗れるほうがいい。
どいつもこいつもぶっちぎって逃げられるように。
中型免許しかない。
やがて諸橋に一歩も引かない美しき少女の下には他チームからも女を中心に集まってきて。
さらに沙耶香の学校のヨウコたち不良グループも合流し。
何時しか数十人のメンバーを持つ、諸橋傘下でも決して小さくない組織になりつつあった。