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処女がレイプされてもめげずにスケ番になる話
【制服 官能小説】

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第7話-4


 諸橋の側近たちは敵対していた前田の恋人であった少女の扱いを考えあぐねていた。
 元々は前田の妹の代わりになるというので、陵辱するために受け入れたはずだったのだが。
 最初にマワして以降、自分たちの絶対的な支配者は手放そうとせず、他の人間が手を触れることを許さないようだった。
 さらに瞠目したのが、自分の単車にオンナが手を触れることすら許さないはずの諸橋が沙耶香を乗せていることである。
 どんないい女であろうと、ただ肉欲の対象以外の態度を見せたことがない凶悪な男。
 それが彼らが知る諸橋であった。
 だが、沙耶香に対しては頭ごなしに「さっさと乗れ」と促すことすらしている。
 当の言われた本人は明らかに嫌々そうな態度を隠そうともしないのが滑稽ですらあった。
 そうして幹部連の混乱がいよいよ深まりつつあったとき。
 決定的な出来事が起こる。

 「紅百足(くれないむかで)」は諸橋の傘下チームの中では取り立てて大きくもない中堅チームであった。
 数十名のメンバーにはレディースも数名含まれている。
 諸橋の拠点とは少し離れた場所で代々走り続けていたこのチームは、頭を張っていたリーダーを圧倒的な力でタイマンで潰され、1年前に傘下に入った。
 それが前田の残党に徹底的に潰されて逃げ帰ってきたのである。
 トップがいなくなり、ほぼ壊滅状態の前田の組織は、何故か攻めようとしない敵対組織の行動の空白により大幅に弱体化しながらもほそぼそと生き残っていた。
 それが前田の拠点にあるドライブインの駐車場でたむろしていた諸橋の傘下チームに奇襲をかけたのだ。
 油断していた紅百足はなす術もなく、ぼろぼろにされて遁走したのだった。

 たまり場の店舗の駐車場。
 諸橋を中心にした幹部連が並ぶ前に絵に書いたような負け姿の紅百足の面々が怯えながら立ち竦んでいる。
 この場にいる全員が、徹底的な制裁が始まることを確信していた。
 恐怖と暴力の支配者は自分のメンツを汚すような行為を許したことが無い。
 おめおめと負けて逃げ帰った者たちがこれまでたどった運命を思いやり、また新たな犠牲者がでるものだと思った。
 恐らく男は徹底的に暴行を受け、女はマワされつくされるであろう。
 その悲惨の予感を抱えながら主人の言葉を待つ。
 だが、最初に出てきた諸橋の言葉は誰も予想をしていなかったものだった。

「……なんだテメエ。なんか文句でもあんのか?」

 いったい誰が。
 紅百足のメンバーも含めて、諸橋に文句を言うものなどいるわけがない。
 恐る恐る顔をうかがうと、その視線の先には側につれてこられていた黒髪の美少女が真っ向から静かな眼差しを恐ろしい支配者に返していた。
 その表情からは何も感情は読み取れない。
 だが、静謐を湛えるその瞳には、憐憫や軽蔑といった種類の感情が浮かんでいるのを近くのものは感じ取れたかも知れない。

「おい。なんか言いてえことがあんなら言えよ。コラ」

 やばい。
 切れる前兆だ。
 頼む、これ以上刺激をしないでくれと周囲の人間に緊張が走ったとき。
 可憐な唇から出た言葉は想像する中でも最悪以上のものであった。

「……くだらねえことしてんじゃねえよ」

 瞬間。
 ガッとセーラー服の胸元を掴まれて身体を浮かせる少女。
 ストッキングに包まれた細い脚の先端、ローファーのつま先がかすかに地面に触れてゆらゆらと揺れる。

「もう一回言ってみろ。俺がお前をどうもできねえとでも思ってんのか?」

 もう終わった、たとえ今言葉を翻しても一言の代償は血まみれの惨劇であろう。
 しかし黒髪の少女は寸時も視線をそらすことなく、ますます力をこめて声を重ねる。

「くだらねえことすんなっていってんだよ。こいつらリンチして満足かよ? そんな程度のヤツなんだな、オメーは」

 幹部も含めて周囲の人間は如何に場を後にするかを考える。
 係わり合いになって被害が己に及ぶのだけは嫌だ。

 ぐっと諸橋の身体に力が入ったのが誰にもわかった。
 すわ惨劇が始まるかと誰もが思った瞬間。

「……あんま俺をなめんなよ。こい、今日は徹底的に可愛がってやる」

 と、諸橋は沙耶香の身体を引きずって店の中に消えていった。

 全員が二人が去っていった方向を呆然とみやる。
 誰もがすぐには事態が把握できなかった。
 が、幹部連たちから順に徐々に状況を理解し始める。

 なんと紅百足は絶対的に悲惨な運命から逃れたらしいのだった。

 数時間後。
 ふらふらの沙耶香と諸橋が出てくると、たむろしていた者たちがいっせいに注目する。
 そしてぐったりとして口も利けない様子の沙耶香をバイクに乗せた諸橋は側近に向かい、

「そいつらはこれからこいつに付かせろ。まともに喧嘩もできねえ軟弱なやつらには女の面倒みさせるくらいが丁度いい」

 そう言い残して走り去っていった。


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