第4話-3
宿直室内は少女が出した性臭で満ちていた。
既に2回イかされた身体は全体が発汗して朱に染まっている。
足をM字に開かせられたままテニススコートの下から見える、ロータの振動でしびれた局部はブルマに愛液の大きな地図を描いていた。
潤んだ瞳で息をついている赤い顔は発情した女そのもの。
ようやく性具から開放されてぐったりとしている沙耶香に教師の声が届く。
「どうした、ローターくらいでへばったのか? クリトリスだけ慣らしてもだめだぞ。今日は中も鍛えてやるからな」
言った男がロータの代わりに手にしたものを見て、次に何をされるのか察する沙耶香。
それはディルドであった。
シリコン製かゴム製とおもしき張り型は大きすぎず小さすぎずちょうど良い大きさであろう。
見知ったいくつかの男根と比べても規格外の大きさではなかったことに安堵する。
それでも胎内を攻められてボルチオを揺すられることを想像し、身を固くする。
「……入れるんだったら、さっさといれろよ……」
どうせ逃れられぬなら早く済ませたい。
「やる気まんまんだな。……ふふ、いいだろう物ほしそうだからいれてやろう」
言うなり、ブルマをずらしてディルドを進入させてくる。
ずぬぅぅ
ゴムじみた感触が内壁を刺激しながら入ってくる。
「あぁっ!」
なんの抵抗も無く飲み込んでしまった感触に身体を震わせ声を上げる沙耶香。
奥まで入ると、子宮口を圧する快感が襲ってくる。
男はそのままずらしたブルマを戻して、膣から出たディルドの基部を覆う。
股間の布がいびつに盛り上がっている。
貫かれた強い感覚に翻弄されそうになるが、それでも想定していた感触ではあったので、沙耶香もこれから始まるであろうディルドの攻めを受け止める心積りを固めていた。
しかしさらに教師が手に取った道具をみて全く予想が外れていたことを愕然と知る。
「今日はとことん、中を鍛えてやるぞ。お前はすぐに中イキするからな」
ヴィーーーン
電動マッサージ機、通称電マと呼ばれるものが凶悪な振動を発しながら股間のディルドの基部へと近づいていった。
この状態で子宮口を含めて膣内全体を強力な振動で襲われたら……。
考えただけでも恐ろしかった。
しかしゆっくりと近づく電マはもう触れる寸前である。
思わず手足と下腹に力がこもり強張る。
不安に戦慄く瞳の光、ごくりと飲み込む喉の音。
出来る備えはそれだけであった。
そしてその時は来た。
「ああああああーーーーーっっ!!」
当てられた瞬間始まった、下腹部を中から襲う強力な波に一瞬で我を忘れた。
恐らく数秒で達したのだと思う。
それも定かではなかったが、あとは連続的なボルチオオーガズムに絶叫を上げるだけであった。
身体反応も追いつかず、絶頂に伴う腰の跳ねや痙攣もまともに出せない。
身体を強張らせ続けて、叫び続けるだけである。
足を閉じたくとも、男のM字の足に重ねるように開いているため閉じることもできない。
ただ涙を浮かべて激しく頭を振り、半狂乱の痴態を見せる。
沙耶香はもう何もかも忘れていた。
ずっとイき続けている状態に何時しか幸福感すら感じ始めて。
傍目には拷問を受けて絶叫を上げる痛々しい光景にしか見えなかったが。
少女の身体を苛んでいるのは圧倒的な快感であった。
その振動の波がいきなり途切れた。
今まで出来なかった分を取り戻すかのように激しく腰を跳ね上げて痙攣を始めた沙耶香は、電マを外されたのだと理解するまでに数分かかった。
激しく息をつきながら、やっと脱力する。
余韻ですら未だにオーガズムの只中にいるような生まれて初めての性感に、ただただ圧倒されていた。
「どうだ、もう無理か? どうしてもとお願いするなら勘弁してやるぞ?」
嘲笑うように哀れみをかけてくる男の声。
もうこれ以上の攻めには耐えられないことはわかりきっていたため、思わずすがりつきそうになる。
しかし。
寸前で思いとどまった。
この男を含めて自分を徹底的に貶めて苛んだ運命に負けずに立ち上がってこれた理由はただひとつ。
ここだけは汚されていない孤高の心、魂の矜持だけであった。
それを捨ててしまったら。
もう自分は立ち直ることはできず、ただ悲惨な運命に翻弄されるだけの存在に成り下がるだろう。
恨みを、怒りを、怨嗟を、屈辱を、羞恥を。
全てを心に呼び起こして不屈の精神を叩き上げる。
声も出せない状態であったが、その視線に全てをこめて男に返す。
涙目で潤んだ瞳に宿る少女のプライドの炎。
キッと音がするかのような強い眼差し。
それが答えであった。
猪熊はそれを見て、極上の料理を前にした気分に浸る。
これこそがこの少女たらしめている美しさの根源。
ごくりと喉をならし。
振動する凶器を再度あてがった。
少女はまた襲ってきた凶悪な振動に絶叫を上げた。
先ほどかためた思いも千々と散っていき、ただ肉体の狂喜に支配される。
そしてそれは強烈な刺激をこれ以上受け止められないと判断した脳が意識を絶つまで続いたのであった。