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ぜんぶはじめて
【調教 官能小説】

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8月5日 昼-2

「あぁ……ああっ……、気持ちいい。気持ちいいよぉ……」
快感に頭がしびれ、膝が震える。
立っていられず、へたり込みそうになる私を彼が支えてくれる。
身も心も彼にゆだね、快楽に溺れていくのは心地よかった。
チュプっと音を立て、中に指が差し入れられる。
静かな玄関先に淫らな水音が響く。
ジュプジュプと恥ずかしい音を立て、膣内のザラついた部分が攻め立てられる。
中に入れられた指は軽く折り曲げられ、指の腹で優しく掻くように刺激される。
「ここが気持ちいいんだね。ここ、Gスポットって言うんだよ。知ってた?」
恥ずかしくて声を出せず、ただ小さく首を振る。
「名前なんてどうでもいいか。詩織には気持ち良ければ関係ないもんね。」
指の動きは激しくなり、親指の付け根でクリトリスが刺激される。
もう、もたない。これ以上は我慢出来ない。固く目を閉じ、必死に我慢する。
そんな私の我慢を嘲笑うかのように、剥き出しになっていた乳首が甘噛みされ、
Gスポットにはコリコリした刺激が響く。
「もうダメ、ダメぇ……。気持ち良すぎてダメなのぉ。いっちゃう、いっちゃうよぉ……。もういっちゃう」
恥ずかしい言葉が次から次へと漏れてしまう。
意識が薄らぎ、浮遊感が身体を包み込む。

――――いくッ

絶頂に達した瞬間、僅かに残っていた力は身体から抜けてしまい、私は彼の腕の中にぐったりと倒れ込んだ。
愛液にまみれた指を口に含み、ゆっくりと味わうように舐めると彼は言った。
「足に力が入るようになるまで、いっぱいキスしていようね」
額とほっぺに柔らかな唇が触れる。
「ダイニングテーブルまで歩けるようになったら、買ってきたサンドイッチ食べなきゃ。
詩織が選んだクリームチーズとサーモンのサンドイッチ美味しそうだったね」
彼は、玄関脇に置かれたままになっていた紙袋を持ち上げてみせる。
「私、真ちゃんの照り焼きチキンのサンドイッチも半分貰うからね。いきなり玄関で変なことした罰!」
彼から紙袋を奪い、背中の後ろに隠す。
「えっ、半分じゃ足りないよ。今日は朝から何も食べてないのに……」
彼は一回り以上年上だけど、時々子供っぽい一面を見せる。
こういうやり取りをしている時は、自分の方が年上になったような気分になる。
「我慢してください!その代わり、夜は美味しいカレーを作るから、いっぱい食べてくださいね」
「カレーいいねぇ。じゃあ、5時になったら一緒に作ろっか」

年齢も、背の高さも、人生の経験の多寡も全然違うのに、
どうして一緒の時間がこんなに幸せなんだろう。
なんだか新婚の夫婦みたいだなと思いながら、
私はもう少しだけ彼の腕に身をゆだねていることにした。


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