復帰、そして新たなる波紋-4
「佐伯君!?」
「………。」
そこにいたのは佐伯君だった、青森からまたここにお父さんとその再婚相手と暮らしたいという事で私達の元に戻って来たようで。
「あ、丁度良かったここにいたんだ。」
私のお爺ちゃんが亡くなった事は彼も存じ上げているようで、それで部屋に籠っているんじゃないかって思ってるらしく。
「その、大丈夫か?」
「え、えぇー、態々心配して来てくれたの?」
「ま、まぁーなたまたま近くを通った訳だし、あはは。」
相変わらずぶっきら棒、でもその奥はとても優しくて純粋で。
「良かったらあがってく?葬儀の時に頂いたお菓子、余ってるんだ。」
「おっ、良いね♪温かいお茶とご一緒に。」
「んもぅー遠慮ないなぁー。」
これも何かの縁かな、ここでボーとしてるよりは人を招き他愛もない会話をする方が良いだろう。
僅かだが心が少し明るくなった気がした。