復帰、そして新たなる波紋-2
「ぐず、ひっく…。」
「風馬…。」
相談を聞いて欲しいと、一条君の家に放課後お邪魔する事に。
「んもぅーすぐ泣く、はい!これでも食べて元気だして。」
と言って彼は串に刺さったおでんを僕に差し出す。
「…なんで君の家ではおやつがおでんなんだよ。」
と、悪態つきつつも口に入れもごもごする。
「…そんな責任感じなくて良いんじゃない?」
「でも若葉ちゃんは僕の恋人だ、責任感じるとかでなくて。」
「ふーん、まっ僕だって巴が落ち込んでたらそうなるわな。」
「ねぇ、どうしたら良い?今朝も彼女の家に行ったけど、引き籠ってて学校に行くよう説得したら怒られて。」
「まぁ、無理に外に出す必要もないんじゃない?今はそっとしておくのもさ。」
僕は若葉ちゃんと信じてる、だからその意見もありだとは思うけど。
「まぁー彼女が引き籠るのも無理はないよね、身寄りもなく絶望的な状況から自分を救ってくれて今の今まで育ててくれたんだから。」
「あんな悲しそうな若葉ちゃん、見てられないよ。」
「だから君があたふたしたって仕方がないでしょーが。」
「けど!」
「難しい事は考えなくて良い、ただ恋人の事を想っていればいいさ、話がしたいって言えば耳を傾ければ良い、何処か出掛けたいって言うなら一緒に付き添えば良い、会いたいって言えば今すぐに駆け付ければいい。」
「一条君…。」
彼女を想うがあまり、少々力を入れ過ぎたかな。