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碧の物語-6
【ショタ 官能小説】

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碧の茶会-1

「ん、このアイス、ミントだ」

少年が口にしたのはフレーバーアイス。老舗のパーラーの新作。
無邪気で、どこか悪戯っぽい表情を浮かべるのはローティーンの男の子。
銀座の資生堂の近くで声をかけた少年は、俺の誘いに何の疑いもなく付いてきた。
男が少年に目を付けた理由は簡単。
ちょっとお目にかかれない程の美形だったこと。
幼児体型の片鱗すらないカモシカのような肢体は伸びやかで、やたらと健康美に溢れ、コロコロと変わる表情は天真爛漫。
容貌は間違いなく「少女」に分類されるだろう。だが、少女のような媚びた色はなく、少年のような粗暴さとも無縁の子供。
あえて言えばユニセックス。二つの性の魅力的なところだけのエッセンス。

男はそっちの方向で鼻が効く。この少年には何かが潜んでいる。
男には隠された気配から本性を嗅ぎ出すことに絶大な自信があった。

今までに落とした少年は数知れず。

高校生はもちろん、時には中学生の幼げな少年を性奴隷に仕立て上げた事も。
「ショタ狩りの鬼畜」
男は見た目の軽薄さからは想像も出来ない性癖の持ち主だ。
その経験と勘がこの少年を本物の「ショタ」、それも今まで出会ったことのない絶品であることを告げる。
何しろモノホンの小学生男児。またとないチャンスに男は心の中で舌鼓を打った。

「名前?ボク、アオ」

名前を聞かれた少年はアイスクリームを一口ついばむと、あっけらかんと答える。

「碧。むっずかしー漢字なの」

「ふーん。それより袖が汚れちゃうよ」

碧はスモックのようなピーチコートに包まれていた。
そして袖を見ると、碧は頷いてからスモックのボタンに手をかける。
コートの下は、まるで夏のように薄いカットソーとショートパンツ、膝上までのオーバーニーハイソックス。
その華奢な四肢は、美しいだけではなく、何か危険な色香を放っていた。

男は少年の躯を値踏みする。
きっと、乳首は穢れない桃色に光っているだろう。尻の双丘は水蜜桃のような幼い柔らかさに満ちているだろう。無垢な肛門は美しい肉を覗かせているだろう。
小学生の幼児を凌辱する禁断の淫交を想像するだけで男の怒張は滾り、蜜を漏らした。

「んー、普段からうろうろしてんの?このあたり」

「ぜーんぜん?ボク、吉祥寺の子だもん」

碧が眼を伏せると、その長く濃い睫毛が風を帯びる。
本当に、綺麗な子供。
端正で凛々しい表情を見せると思えば、いかにも子供らしく笑ったりもする。

なのに、何かが違う。

「銀座なんてさあ、君みたいな子供が来るところじゃないからねえ。大人の街だし」

「うん。ボクもそう思うよ」

「何か用事があったの?気まぐれ?」

「いんや。宿題」

碧という名前の少年はクールに言い放つと、アイスクリームの横に添えられたチェリーを唇に挟んで舌で転がした。
それが、思いの外色っぽい。

「ボク、餌なの」

奇妙な言葉に男は喉を詰まらせる。

「餌?マジ?君、餌なの?」

碧の表情に浮かんだのは、紛れようもない淫蕩な微笑みだった。

「ボクね、お兄さんみたいな変態の男の人を釣るための餌なの」

今度こそ男は驚愕する。

「あのさあ、ひょっとして君は」

歯の間にチェリーを挟んだまま、舌で弄ぶ少年の瞳は半眼に潤み、みるみる淫らな妖女のそれに変わった。

「ボクの宿題は、ショタ好きのゲイを釣って、そのお肉を食べること」

まるで「お昼ご飯にしない?」と気軽に誘っているような少年の口調は軽い。その天真爛漫さに男は驚きを隠せなかった。
今まで相手にしていた少年達は最初は警戒し、躯を許した後はベタベタと甘え出し、棄てられるときは泣いて縋り付く。要するに醜女の深情けと変わらない陰湿なものでしかなかった。
その軽快さ、初対面の時には顔も出さなかった淫蕩な気配。何よりその美貌。
昂まる欲望と好奇心は男の心を騒がせた。

「じゃ、いいかなっ。優しくしてあげるさあ」

碧はチェリーをスポッっと音を立てて唇から抜き、艶然と。艶然と微笑んだ。

「優しいだけじゃ、ダメっ」

その無邪気な言葉は、男の狂おしいサディズムに火を点ける。
その笑顔を歪ませてやろうじゃないか。泣いて、鳴かせて、奪って、屈服させてやる。
男はレシートを握りしめて立ち上がった。


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