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人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』
【サスペンス 推理小説】

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019.『空太と果帆』-1


 ――――空太の部屋


間宮 果帆
「四畳半くらいって言うからどんだけ狭いんだと思ったけど、
 案外、広いな」


本堂 空太
「そうだね……」
(犯人はよっぽど西洋かぶれなんだな。
 自室って言うけど、こんなんじゃ落ち着かないよ…………。
 直に慣れるのかな…………)


間宮 果帆
「…………空太」


本堂 空太
「うん?」


間宮 果帆
「あの、さ……」


本堂 空太
「うん」


間宮 果帆
「無理……すんなよ?
 筒井はなるべく一人になるなって言ってたけど、
 美海もそうだけどさ、誰だって一人になりたいこと、あると思うんだよ。
 こんな状況じゃ、誰も責めないよ」


本堂 空太
「…………どういう意味?」


間宮 果帆
「一人になりたかったら、あたし、出てくし」


本堂 空太
「なんで? …………いてよ。
 一人じゃ、心細いしさ……」


間宮 果帆
「…………いいのか?」


本堂 空太
「うん……。それに、果帆のことも心配だし。
 俺、頼りないかも知れないけど、……そばにいるくらいはさせてよ」


間宮 果帆
「…………ごめんな」


本堂 空太
「なんで謝るの?」


間宮 果帆
「……なんにもできないから、あたし。
 こんなことになって、お前を元気付けることもできない」


本堂 空太
「それを言ったら俺だって」

(アキラや筒井に任せっきりで、言われたことしかできないし、
 …………秋尾を見て、気分が悪くなって逃げ出したし。
 野郎共はあの部屋に行ったけど、俺はのこのこ部屋に来ちゃったし…………、
 本当、情けないよなあ……)

「…………ごめんね、頼りない彼氏だけど」


間宮 果帆
「そんなことない!」


本堂 空太
「………………」


間宮 果帆
「……目黒やサキに突っ掛かられた時、何度か庇ってくれたろ。
 嬉しかった…………その……ありがと、な」


本堂 空太
(お礼言うだけなのに、真っ赤になってる……。
 こーゆーところ見ると、未だにすごく感動するんだよね。
 やっぱり、俺、果帆のこと好きなんだなあ……)

「当然だよ! 俺は……果帆のこと、心の底から信頼してるし」


間宮 果帆
「…………ありがと、
 あたしも……信頼してるよ、あんたのこと」


本堂 空太
「うん」


間宮 果帆
「………………」


本堂 空太
「………………」


間宮 果帆
「………………」


本堂 空太
(まずい、会話がなくなっちゃった。
 もともと果帆は口数が多い方じゃないし……、
 どうしようかな…………)


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