ま-1
翌朝、半分の後悔と半分の嬉しさが入り混じった朝を迎えた。
三浦さんに腕枕をしてもらって
後ろからぴったりと何も着ない素肌のままで抱きしめられて
土曜日の朝を迎えるなんて。
この腕が、一生私のものだったらいいのに。
恋人も夫婦もパートナーがいる人は一生浮気なんかしなきゃいいのに。
みんなみんな、死ぬまで一途ならいいのに。
でもそんな保証は・・・
どこにもなくて、誰もしてくれない。
私は、ゆっくりと、抱きしめられている腕を外して
脱ぎ散らかした服を集めた。
こんなに夢中になってエッチをしたのはどれぐらいぶりだろう。
下着を着けて、服を着て、口紅だけを付ける。
早朝だから、タクシー捕まるかな・・・
確か、マンションの前は大通りだった。
音を立てないようにそっと部屋を出て行こうとしたところで
「黙って帰るん?」
寝ていると思っていた三浦さんはすっかり起きていて
少し冷めた口調で言った。
「昨日の晩のことは真実ちゃんにとっては何でもない事やった?」
なんでもなくないから、帰るのよ。
「三浦さん」
「何?」
「合コンの日程、早く決めてくださいね」