ま-5
スッと濡れそぼった指を引き抜いて
私の目を見てニヤッと笑う。
「こんな、濡れてる」
そう言いながら舐めとった指で今度は手早くゴムを付けた。
私の目から視線を外さずにゆっくりと私の中に侵入してくる。
きっと同時に心にも入り込んでる・・・
それは抜けないとげのように
私の心に奥深く刺さって、きっと後々私を苦しめる。
でも―――
そんなことは、絶対に言わない。
三浦さんのものが、奥の奥までぐっと入って
もう、これ以上めんどくさいことは何も考えるのをやめようと思った。
「俺に、集中して」
またも私の心を読み取ったオトコに
これ以上心酔して、溺れて逃げられなくなったら、どうしよう。
あぁ、横浜に戻れば、いいのか・・・
その距離が、私を守る砦のようで
帰りたいようで帰りたくない。
「まみ。集中してよ」
耳元でささやかれたその言葉が
三浦さんの律動のようにさざ波になって耳に届く。
奥まで入った三浦さん自身を離さないように力を入れれば
「急かすなよ」
そう笑い返してきた。
「ゆっくり楽しみたいんやけど」
そんなオトコのセリフさえ嬉しく思う。