話し合い-3
ご飯を食べてる時も
1人で風呂に入っていた時も
タクミの心は落ち込んでいた。
が、ちづるにお腹が痛いと
嘘をついた日の事を思い出す。
これ以上、自分が惨めになるのが
嫌だった。
情けない顔を見せたくなかった。
タクミは
いつもの自分を思い出しながら
普段通り振る舞った。
別々に風呂に入り終え、
タクミが先に寝室に行く。
ちづるも
少しの家事と歯磨きを済ませて
リビングの
灯りを消して寝室へ行く。
タクミは布団の中で
片手で頭を支え起こし
男物のファッション雑誌を見ていた。
パジャマ姿のちづるは
タクミの隣に敷いてある
布団に入る。
ちらりと、
雑誌を見ている
タクミの背中を見つめる。
「、 、 、 、、」
黒い部屋着を着ている
タクミの背中が、
いつもより大きく感じる。
無性に甘えたくなるが
雑誌を読んでいる邪魔をしたくない。
自分の掛け布団を握りしめながら
ゆっくりと静かに
タクミの背中に近づく。
「 、 、、 、、 」
タクミが、
自分がすぐ後ろに居る事に
気がついているのか
気がついていないかは分からない。
そのまま鼻から息を吸い込んで
匂いを嗅ぐ。
息の音をさせないようにして
匂いを何度も嗅ぎ
この場所に居心地の良さを感じていた。
静かにうずくまって目を閉じる。
しばらくすると、
パタンと雑誌を閉じる音がした。
タクミは仰向けになりながら
万歳をして伸びをしようとする。
両手ををあげながら
ちづるを見て言う。
「 ゎ、
そこに いたんだ 」
「、、、、、うん。」
「、、電気消すね。」
タクミは
枕元にあるリモコンを持つと
灯りを消した。
豆電球の灯りになる。
目を閉じたタクミに
ちづるが言う。
「、、、、タクミ君 」
「、ん? 」
「もっと、くっついていい?」
「、、、、うん。」
タクミは両手を、
自分の頭の下に入れていた。
ちづるは
自分の枕をタクミの枕に
ピッタリとくっつけ
めいいっぱいくっついて
タクミの方に身体をむけて
丸くなる。
タクミは思わずちづるの頬に
手を伸ばし撫でて、静かに言う。
「、、、俺が、好き?」
「 ぇ? 、、、うん 」
「 ふーーーん、、。
ぁ、でも今日、
ちょっと疲れたから〜
エッチ、出来ないかも。」
「 ん? 、、うん、、
、、、、 、。
ってゆうか、私 、、 」
「 ん?」
「、、、前も言ったけど。
そればっかじゃ ないから 」
「、 、 、、ふふっ 」
ちづるは、
目を閉じて静かに話している。
タクミは
そんなちづるを見つめている。
ちづるが言う。
「、、こうやって、、、
一緒に、居れるだけで、、」
「 ! えぇ〜〜〜?
なんか、、、 」
「 ?」
「 うさんくさっ 」
「、!? 」
ちづるは、
パチッと目を開けた。
タクミは続けて言う。
「ちづちゃんがそれ言うのって〜
なんか、うさんくさいよ〜 」
「、、なんで?」
「無理しないで、いっすよー?
俺はさぁ、、
性欲のはけ口?的な感じで。
別にいいし。 」
「! 、、そんな 〜っ 」
「 、、、 んー?」
「そんな風に、、
私、思ってない 」
「んーーー、、はいはい。」
タクミの態度が
なんとなく意地悪なように感じる。
タクミが言う。
「おやすみのキス〜
しよっか? 」
「 ぇ? 、、、 ぁ 」
タクミは
ちづるに覆い被さりキスをする。
舌が入ってきた。
口内をかき回される。
ちづるは思わず悶える。
「〜っ んっ、、んん 」
するとタクミはキスをやめて
ちづるから離れ、仰向けになり言う。
「おやすみ〜。」
「 ぇ? ぁ 、、うん。
おやすみ、、なさい、、。」
それからしばらくして
先にちづるが眠りに落ちた。
その後でタクミも眠った。