プロポーズ後-3
「おかゆは、、
どうする? 食べる? 」
「 っ んーーー? 、、、」
「タクミ君、 おかゆっ
持って帰った方がいい?」
「んーーー、、?
バイト、、行く前に食べる、、」
「分かった、じゃあ置いとくね?」
タクミはまだ眠いらしく、
ベッドの中で丸くなっている。
ぼんやりとちづるを見て言う目は、
しょぼしょぼしている。
「、、ちづちゃん、、、
今日何時に帰れる? 」
「 ん?
今日はー、、、。
5時には家に帰ってると思うよ?」
「ん、。 分かった、、、
俺は5時までだから、、、、
6時ぐらいに行く 、、 」
「 うん。」
「、、、、。
俺、弁当買って帰るよ、、」
「 え?」
「2人分、、、、」
「 ? なんで? 」
「 今日は、、ちょっと、、
話しましょ ? 」
「 ぇ? 何を? 」
「、、、、。 はぁ 、 」
タクミは小さくため息をついて
布団の中にうずくまり
壁の方を向いてしまった。
目を閉じて「夜、話すから」
と言った。
ちづるは
ブレスレットの入った箱を
大事そうに持つ。
タクミの背中に
「あっ!寝ちゃう前に、鍵閉めて。」
と、声をかける。
タクミは気だるそうにムクッと
起きてベッドに座る。
それから2人は玄関に向かうと
ちづるは「じゃあ、後でね。」
と言いながら出て行った。
タクミは鍵を閉めると
また部屋に戻る。
スマホを持つとアラームを
かけて枕の横に置き、
2時間ほど眠った後バイトに行った。
夕方に2人分の弁当を持ってタクミが
ちづるの家にきた。
玄関から入るなりタクミは
『はい、これ。』と
弁当をちづるに渡す。
タクミはスタスタと廊下を歩き、
部屋に入りソファーに座る。
ちづるは弁当の入ったビニール袋
の中身を見ながら言う。
「 あっ 焼肉丼だ〜
ここの、美味しいよね。」
「んーー? 、、うん。」
「 ぁ、 コーヒー飲む?」
「 、、、うん。」
ちづるはヤカンに火をかける。
白いパーカーにジーンズ姿の
タクミを見てちづるが言う。
「なんか、タクミ君が
白を着るのって珍しいね。」
「 そーーぉー? 」
「うん。いつも青とか
多いからかな?
なんか新鮮〜 」
ちづるはニコニコして
コーヒーをいれている。
ソファーに座っているタクミは
ちづるの後ろ姿を見る。
長い髪をおろし、
上は淡い黄色のカーディガンに
下は紺色のスカート。
足下だけ部屋用のモコモコした
白い靴下を履いている。
いつもならかわいい、と思う
格好が、今日は何故か
少し憎たらしく見える。