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フカシなムスメ
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僕と、万引き娘の攻防-2


  ─━─━─

 シュウコの話の真偽がどうこうでなく、このまま万引きされ続けるわけにはいかない。

 僕は考えた。とにかくカメラに彼女の姿は映っている。

 僕は胸ポケットに はさめるペンタイプのカメラを手に入れた。

 それでとらえた画像を送信して、ウエアラブル……身体装着式端末機……のサングラス型モニターで見られるようにした。

 カメラでとらえた画像と、サングラスごしの実際の光景とが一致するように何度も「お試し」を繰り返して、冬のある日 ついに彼女が店にあらわれた。

 僕は彼女を追いながら見守っていると、彼女はクリスマスのイルミネーションにつかう、LEDがいっぱいついた「ワイヤー」をいくつも箱ごと手にすると、ゆっくり歩きはじめた。
 と、僕の目に違和感が走った。

 僕は彼女の後ろ姿を追いながら、目を交互に片方ずつ閉じてみた。
 すると、片方の目ではモニターを通して彼女の姿が見えている。だけど、サングラスを通してるだけの片方の目では彼女の姿が見えないのだ。

 変だ。
 変だけど今はその事に気をとられてはいられない。
 
 彼女は品物を持ったまま、レジの脇をすり抜けた。
 会計はしなかった。僕は目撃した。
 このまま店の敷地を出たら、声をかけるんだ。
 彼女は店の出入口をくぐった。
 しかし、ここでは声がかけられない。

 園芸商品や、建材商品が並べられているエリアを越えて、駐車場との間の道路を横切ったら、店の敷地を出たことになるんだ。

 彼女は道路に出た。
 (今だ!)
 遂に僕たちに赤っ恥をかかせた、あの少女をおさえられる。
 僕が足を早めた瞬間、なぜか彼女はくるりとこっちに向きをかえ、僕の方に駆け寄ってきた。

 (え、え〜っ?)

 彼女とすれ違ってしまった僕が、あわてて回れ右をして彼女の姿をとらえようとした時、

 ピッ、ピ━━━━━━ッ!!


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