ツバメ-1
ねだるだけ
そんな君たちだったけど
今日は
空を飛んでいた
みんなに置いてかれないように
広い空を飛んでいた
灰色の空を飛んでいた
空は高くて
見下ろした大地はとてもとても遠くて
恐くて
足が竦むけど
それよりも
やっぱり独りになる方が恐いから
とりあえず
一歩踏み出した
思いの外
風を受けて飛ぶということは
恐くなかった
fin.