一糸まとわぬ姿で-2
ビキニの私は、動かされて、撮られた。
新体操の動きだよ、エッチじゃないよ。というアドバイス。
わけのわからない指示だが、確かにブラウスよりは動きやすいから、いろいろ試した。
拝殿の回廊では床運動の形もできた。
気持ちいい。
汗ばんでくる肌に、時折吹く風。
新鮮な空気に体全体で触れている。
もっと……。
ごくごく自然に、
私はブラをはずした。
◆
彼は平静だった。
軽く失望?……ううん、嬉しい。
映画や深夜ドラマの撮影現場で、一人だけヌードになった女優は、どんな気持ちなんだろう?
役に入りこんだら、恥ずかしくないのかな?
今の私の気持ちは……うーん、やっぱり、ちょっと恥ずかしいな。
そして、嬉しいのも確か。
恥ずかしいから、嬉しい。
自然な立ち姿を、あらゆる角度から撮られた。
いま、お尻を至近距離から撮られているけど、彼の姿が見えないから、まだ耐えられた。
本当に指一本触ってこない。
襲われて、最後まで剥かれることも想定していたのに。
それなら、
高校生でやったよね。
私は最後の一枚に手をかけた。
◆
あとから考えると、全裸までの所要時間は30分ぐらいだった。早かったかもしれない。
全裸は、もっと気持ちよかった。
もう脱ぐものないの? なんて、変なことを考えるぐらいに。
ヌードモデル撮影会そのもの。
あくまでも自然体。
性器も意識しない。
あるものは写るでしょ。仕方ないよ。
回廊に寝そべると、乳房の形が変わる。
触ってくれないから、自分で触る。左手で。
――我慢しなくていいよ。
タイミングのいい、彼の指示。
そして、初めてのルール違反。
彼は私の空いている右手を取り、それを私の……に当てさせた。
撮らないよ、という彼の声。
でも、見るよね。
いいよ、始めちゃうよ。
◆