第２７話『ちつ自慢』-2
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２ｃｈ番組『ちつ自慢』
『自己認識徹底法』に違反した牝――鏡に映した自分の膣から視線を逸らしたり、膣口の広がりが甘かったり、膣を映す時間が短かったり――は、己の肉体に対する敬意が不足している、と見做される。 確かに膣は猥褻で、淫雑で、生まれた瞬間から罪深いものであり……要するに膣は、ひたすら恥ずべき、隠すべき部位だ。 けれど自分の股座に罪深い孔が開いていることは事実であり、いつか受け止めなくてはいけない。 ゆえに、自分の恥部を凝視できないのであれば、荒療治として『衆目に晒す』ことでの克服が推奨される。 『自己認識徹底法』で指導された牝は、拘禁されて特別に指導を受けるか、或は『ちつ自慢』で『鐘（チューブラーベル）』を１１音獲得することで解放される。
オープニング。 『鐘（チューブラーベル）』が鳴る中、出場者が入った『箱』が入場する。 ちなみに出場者はトレイの上に載せられた『木箱』に入っており、客席に向けて下半身のみ木箱からはみ出させている。 姿勢は爪先を伸ばしたＭ字開脚が基本で、中にはＬ字やＶ字もある。 膣には１０本の小型クリップが、左右、大陰唇、小陰唇に分かれて挟んであり、それぞれのクリップから伸びた糸が左右両足の指に１本ずつ結んであった。 なお木箱を乗せたトレイには、中に入っている牝の顔写真のアップが膣の真下に来るように貼られている。 氏名や住所も番組中にテロップで流れるため、公開された膣の持ち主が誰なのか疑問に思う必要はなかった。
本編が始まる。 軍馬が箱を１つづつ牽引し、ステージの中央に運んだところでイントロだ。 箱に納まった牝たちが選んだ曲である。 イントロが流れると、箱から伸びた足が、恐る恐る、けれど大きく両側に広がる。 足に導かれるようにして、閉じ気味だった陰唇がピンと張るまで拡張され、真ん中にポッカリ穴が開いた。 歌詞つきの曲は、ポピュラーソングだったり、ラップ調だったり、特に制限はない。 ただし傾向としてはスローテンポが主流派で、今回も一曲目は『メリーさんの羊』という、世界中に知られた童謡である。
メーリさんのー、ひーつーじー……メェーメェー、ひーつーじー……♪
合唱隊のコーラスに合わせ、木箱から伸びた足が揺れ、爪先の指たちが器用にくねる。 Ｍ字に拡がったふとももの付根で、ピンク色した膣襞が蠢き、あたかも膣口が歌詞を歌うかのよう。 やがて、
キンコンカンコン、キンコンカンコン、キーンコーンカーン♪
１１音の鐘の音が、女性の合格を高らかに告げた。
普段人前で歌うことが出来るなら、即ち『口』は人前に見せられるということ。 口も膣も、どちらも内臓を外界に晒す点では変わりない。 ならば、女性陣の膣に対する羞恥心を克服させるには、膣と口が同一視できればいいわけで……。 即ち箱に入れられた女性陣に課された課題は、自分の膣を口に見立てて立派に１曲歌い上げること。 得意な曲を何度も鏡の前で歌い、口の動きを完璧に覚える。 次は口の動きを膣で再現する。 鏡の前で下半身をおっぴろげ、膣筋でもって穴を大きく開閉し、膣内展筋が至らない部分は足の指で糸を操るでもって補うわけだ。 どちらも誠実に自分の恥ずべき持ち物を凝視し続けた女性にした成し得ない演技。 出演を告げられた女性たちは、平均して一週間の膣歌唱特訓を経てステージに上がる。
合格した木箱は、感謝の意味、またお辞儀の意味を込めるべく足を１８０度開脚する。 必然的につま先と結んだ糸が限界まで伸び、パツンッ、膣を挟んだ１０のクリップが弾けることになる。 つまり、オマンコが全開した直後に元通り閉じることで、お辞儀を表現するわけだ。 柔肉に残った１０個の赤い痣を残しつつ、ピンピンに伸びきった膣が最大開脚から一転して穴を閉ざす様子は、膣襞が生き物という事実を生々しく体現する。 当然激痛が伴うわけだが、躊躇ったり、声をたてるような礼儀に反する所作は厳禁であり、ちょっとでも礼を失すれば合格が取り消されるのは言うまでもない。
クリップがつま先からだらりとぶら下がったところで、軍馬が木箱をステージ袖に牽引だ。 入れ替わりでもう１頭の軍馬が、次の木箱をステージ袖から引いてくる。 ちなみに牽引フックはクリトリスに結んであり、引っ張ってくる軍馬にも相当な負担がかかっているのだが、軍馬の表情には苦痛の気配などおくびも見られない。 こうして１回の番組につき２０箱から３０箱の膣を紹介し、『ちつ自慢』は閉幕する。