放課後-4
ふと気づくと、優衣は被っていた上布団を跳ねあげて、保健室のベッドで身を起こしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、夢…?」
目覚めた優衣は、悪夢の恐怖から逃れたことを実感した。
「それにしても…」
生々しい夢だった。まだ肛門に指を容れられている感覚が残っていた。
「ん?」
というよりも、今も肛門の中を何かがグニグニと蠢いていて、それと連動するように、上布団もモゾモゾと動いていた。
「何?」
ギョッとして反射的に上布団を捲り上げた優衣は、その状況を前に恐怖で全身が凍りついた。
「ヒッ!」
そこには優衣の肛門に指を差し込み、恍惚の表情を浮かべる真由がいたからだ。真由は優衣の肛門から抜いた指をペロリと舐めると、ニタリと微笑んだ。
「ひい〜!」
終わらない悪夢に、優衣はまたもや白眼を剥いてしまった。しかし、それを阻む少女の声が保健室に響いた。
「優衣ちゃん、しっかりして!!」
耳許に届いたその声で、裏返っていた目がクルリと戻り、遠のきかけた優衣の意識が現実世界に戻された。
優衣の黒目に輝きが戻ると共に、覚醒しかけの脳に、声をあげた少女が像となって焦点を結んだ。
「えっ?あれ、莉乃ちゃん…、どうしたん…?」
優衣は新しい友達に声をかけた。
「よかったぁ。全然目を覚まさないから、みんなで心配してたんだよ」
莉乃は安堵の表情を浮かべた。
「えっ?目を覚まさないって、どういうこと?」
目覚めたばかりの優衣の脳は、今の自分の状態を理解できなかった。
「大丈夫?優衣ちゃんたら、プールで気を失ってから、ずっと起きなかったんだよ。もう放課後だよ」
「プールで?」
「そうよ、さっきから順番に起こそうとしてたんだよ。目覚めたのは真由ちゃんのおかげね」
莉乃の説明のとおり、真由が優衣の肛門を責めていたのには理由があった。余りにも目覚めない優衣を気にしたクラスメート達が、水泳の時間に習ったクンニ人工呼吸法を順番に実践していたのだ。
真由の順番のとき、その肛門嗜好が効果的に作用した結果、優衣はようやく目覚めたのだ。
「あっ!あたし…」
ようやく優衣の脳裏に、プールでの恥ずかしい出来事が一気に甦った。現実に戻った優衣が辺りを窺うと、数人のクラスメートがベッドを囲んでいることに気づいた。その中には1組の学級委員の彩夏もいた。
水泳の時間を終えたクラスメート達は服を着ていたが、プールで気を失った自分だけが、全裸のままだった。周りが全裸ならまだましだったが、一人だけ全裸の状態は、裸体を晒すことに馴れていない優衣にとっては、かなり恥ずかしいことだった。
「やだ…」
クラスメートの注目を集めた優衣は、慌てて上布団を掴んで女体を隠した。
しかし、今さら隠したところで、優衣はこのクラスメートの前で凄まじい脱糞を披露したのだ。皆のから注目を浴びたことで、死にたいほどの羞恥が甦った優衣の目から、ボロボロと涙が溢れ感窮まった。
「うわああああん」
保健室に号泣が響いた。