Girl Meets Devil 〜そのZ〜-1
今、私は幻を見ているのだろうか?
それは、突然私の前に姿を現した。
有り得ない!何故こんなものが有るんだ!?
一度、その姿を隠す様に扉を閉める……
息を大き〜く吸い込んで、再び扉を開く……
…やはり、幻では無い様だ。
それは確かに此所に存在する。
でも、それは確実に私には相応しくない。
そろそろ、ギャラリーが飽きてきたので紹介しよう…
それは、私ではなく私の同居人がよく貰っているもの……
しかし、今日は何故か私の靴箱にある……
【ラブレター】
「どうした?馬鹿みたいに扉を開け閉めして?」
「うわあっ!き、恭夜!何でもない!何でもないからちょっと先に行ってて!」
「?…わかった。さっさと来いよ。」
「う、うん……」
恭夜が教室に行ったのを確認し、物陰に隠れる。
違う、これはラブレターなんかじゃない!
きっと用事が有るんだ!
そうじゃなければ、誰かの悪戯とか何かの罰ゲームなんだ!
そう信じて、便箋のシールを剥す…
出てきたのは二つ折りにされた一枚の手紙…
高鳴る鼓動を押さえ込み、震える指で手紙を開く……
な、内容は……
【柊さんへ
あなたのことが好きです。もしよければ、今日の放課後、屋上に来て下さい。】
「………」
どうしよう…
何故、私に?私なんか全て普通だし、特技とか何にもないし……
でも…好きって言われるのはうれしいんだけど…私には恭夜が………って、何だこのは台詞は!?
私と恭夜は付き合ってるわけじゃないだから!
で、でも2回キスもしちゃったと言うかされちゃたし、そのうち一回は明希達にも見られたし……
アイツは私をどう思ってんだろう……
…何だかもやもやする…
と、とりあえず断るべきだよね?
それか、誰かに相談してみようか……でも、誰に?………
とあれこれ考えていたら、いつの間にかもう放課後。
結局、誰にも相談できず屋上へと向こうことになった…