Girl Meets Devil 〜そのZ〜-3
「何をしているんだ…貴様は……」
「久しぶりに再会したと言うのにつれないですね…ルシファー?」
やっぱりこの人、恭夜が悪魔だって知ってる。
じゃあ、この人も悪魔……
「違いますよ。僕は悪魔ではありません。」
そう言うと先輩は右腕を横に振り払う…
するとそれに呼応するかのように背中から純白の鳩のような羽が姿を表す。
「僕は天使…ミカエルと言った方が聞こえがいいですか?」
悪魔に続いて天使まで……いつから私の周りは異世界の住人ばかりになったのだろう……
「御託はいい。何をしていた…」
「何って告白ですよ。」
「そいつは俺の女だ。」
「ち、ちょっと何言ってんの!」
「五月蠅い!少し黙っていろ!」
な…何でそんなに怒るの……
私はただ、断ろうとしたら動けなくなっただけなのに……
「あまり怒ってはいけませんよ?それに僕の話はこれからなんですから。」
「黙れ…お前の話なんか聞きたくない……行くぞ、茜。」
そう言って、かなり強い力で私の腕を引っ張る。
「い、痛い…ちょっと離して!」
私はその手を力いっぱい振りほどいた。
「あっ……」
「…茜……そうか…勝手にしろ…」
一瞬だけ、驚いた顔をして最後は怒っているような悲しんでいるような声で去って行った……
「先程はすみませんでした。少し邪魔が入りましたのでお話は…そうですね、明日は土曜日ですからデートを兼ねてその時に。…では、10時に駅前でお待ちしています。」
天宮先輩も去って行った。
「何なんなの……」
恭夜も先輩も…訳が分かんないよ……
この日、恭夜は帰ってこなかった…
次の日、私は指示された通り駅前に向かった。
恭夜がどこ行ったのかもしかしたら知っているのかもしれないし、話というのも気になったからである。
「来てくれてありがとうございます。」
天宮先輩はすでに来ていた。
「先輩…恭夜の居場所を知りませんか?」
「いえ。帰ってこなかったのですか?酷い奴ですね…こんな可憐な人を悲しませるなんて……」
それが冗談なのかどうか私にはどうでもよかった。今、私が知りたいのは昨日の話と恭夜の居場所だけ……