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Girl Meets Devil
【コメディ 恋愛小説】

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Girl Meets Devil 〜そのZ〜-2

カチャ……

ドアを開ける。そこにいたのは恭夜とは違ったタイプの端整な顔の持ち主だった。
一言でいうならば、王子様タイプ?
どことなく、上品な雰囲気を纏っている。

「本当に来てくれてありがとうございます。手紙読んでくれましたか?」
「あ…はい…あのお名前は?」
「書いてありませんでしたか?なら、改めて…僕の名前は『天宮 流』。クラスは二年四組です。」

そういえば私、差出人の名前見てなかった……

「そ、それよりも何で私なんかに?」
「この間の球技大会のときに偶然お友達とクラスの応援をしているのを見掛けましてね。その時のあなたの笑顔がとても素敵でしたので…」
「そ、それだけで?」
「まあ…他にもあるんですが、それが一番ですね。」


かなりの美形だ……
だけど、私この先輩こと何にも知らないし……

「あ…あの、天宮先輩…」
「僕としては流と呼んでいただいた方がうれしいのですが……そんなことより、何でしょうか?」
「お気持ちはありがたいのですが、私は先輩には相応しくないと言うか、釣り合いが取れないと言うか……」
「恋愛に相応しい、相応しくないなんてありません。それに釣り合いは後からついてくるものですよ。」

スマイル100%のまま答える。

「あなたが迷っている訳……それはあの神道とかいう悪魔のせいですね?」

えっ…
何でバレてるの?
この人も葛城先輩と同じ退魔師?
いや…先輩はそんなことを一言も言ってなかった。
じゃあ、何で…


「あんな悪魔よりも僕の方が何倍もあなたを幸せに出来ます。」

そう言って、天宮先輩は私に近寄ってくる。
思わず後ろに下がろうとするが、足が動かせない!
それどころか、瞬きすら出来ない!

何で!どうなってるの!?

「あんな悪魔に惑わされてはいけませんよ……」

そう言って私の肩を掴む。
乱暴ではなかったがそれでも、凄く怖い……

「…い…いや……」
「心配しないで……」

怖い…怖いよ…

助けて誰か……

助けてよ、恭夜……

その時、ドアが壊れそうな音がして開いた!


「何をしている…離れろ……」
「恭夜……」

その声は暗く、怒りに満ちていた。その怒りは私と先輩の両方に向けられている様に思えた。

「惜しいですね。後少しだったのですが…」

その時、急に身体が動くようになり私はその場に座り込んでしまった。

先輩はその声に憶することなく、顔も先程までと同じ笑顔である。


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