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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩
【SM 官能小説】

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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩-9

― 八月二十二日

《搾精… 快楽につながる、すべての精液をサキュバスに搾り尽くされること》

骸骨のような腰の曲がった老人が、陰湿な笑みを浮かべ、全裸の私の首輪の鎖を引き、その椅
子へと導く。…この椅子が何の椅子であるかわかりますか…拷問用の電気椅子ですよ。マゾヒ
ストの男たちが永遠の苦痛と快楽に憧れて求める輝かしい椅子。よく見ることです。椅子に座
った男の手首と足首を鉄枷で拘束し、腰かけの底から伸びた電線が埋め込まれた細いベルトは、
男性器を拘束し、奇怪な突起のプラグはアナルに深く挿入される。もちろんベルトとプラグに
は凄まじい電流が流れる。断続的にペニスとアナルに襲いかかる電流によって拷問を受ける
性器と尻穴は今にも裂かれそうになりながらも苦痛の弛緩を繰り返し、何度なく絶頂を強いら
れ、精液を搾り尽くされるのです。

マゾの男というものは、どんな残酷な仕打ちにも耐えられる。いや、男はそれが残酷な嗜虐の
行為に晒されているとは微塵も思ってはいない。火花が散るような電流の拷問でまるで罪人の
ように嬲られても、悦楽の幻影に呪縛されたように自らを舞い上がらせることができるのです。

さあ、すでにあなたのサキュバスはこの椅子に電流を流すスイッチに指をかけ、いつでもあな
たを夢の世界にいざなうことができる。そう言い終えた老人は私をその椅子に拘束すると、卑
猥な笑みを浮かべ、私を残して部屋を出て行った。

私はゆっくりと目を閉じた…。拷問椅子に座った私の像が仄かに浮かんでくる。

瞼の中がゆがんでくる。ペニスがのたうち、喘ぎ、波打ち、まるで実験台に乗せられた生きた
生魚のように跳ね上がり、烈しく身悶えする。肉棒がよじれ、アナルが突き上げられ、椅子が
軋む音と私の嗚咽と叫びがまるでひとつの不協和音となって不気味な旋律を奏でながら部屋に
響く。

蒼ざめた唇、澱んだ胃液がこみ上げる咽喉、責められる肌に浮かぶ冷ややかな汗、強ばった腿
の内側に流れ続ける白濁液…。全身に汗が浮き、苦悶に喘ぐ肉体は、無為の深々とした悦楽に
溺れている。サキュバスに与えられる残酷で至福に充ちた瞬間が私の脳裏で烈しく交錯する。

…暗澹とした肉体の憂いは、純粋な性への切実な欲情そのものなのです。性の混沌とした深海
に溺れていく未知の快楽の幻影をあなたはこの椅子で見ることができるのです。自意識に行う
射精など奴隷には無用のものです。自分の意識の外にある飢えた快楽…自らの中に潜んだ精液
はあなたの意思に反して搾りとられてこそ感嘆すべき射精といえるのです…老人が最後に言い
すてた言葉が微かに耳の中に響いていた。


夢に現れたサキュバスがゆっくりと電流盤を手にした…。

そして、彼女の細い指先が電流盤にあるスイッチをひねったとき、私のからだがたわむように
撥ね、空を切るようなけたたましい悲鳴が部屋に響いた…。



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