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人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』
【サスペンス 推理小説】

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004.『曖昧な記憶』-1

白百合 美海
「ね、ねえ、みんな、
 ここに来る前のこと覚えてない?」





 ………………。





有栖川 直斗
「わるい、よく覚えてない」


本堂 空太
「俺も……」


白百合 美海
「そう……。
 あたしは――学校を出たところまでは覚えてるの。
 果帆と一緒だったわ」


間宮 果帆
「ああ」


本堂 空太
「思い出した。
 果帆、用事あるって言ってたよな、白百合とだったんだ」


間宮 果帆
「ああ。美海が――ケーキ作りたいって言うから、買い出しとか、色々する予定だった」


白百合 美海
「うん」


白百合 美海
「……それで、バス停に行く途中で、由絵と勝平くんに会ったの。
 それで、四人で暫く話し込んでて……それから……」


間宮 果帆
「そうだ、その時にやられたんだ」


八木沼 由絵
「そうだったっけ? 全然覚えてな〜い」


千景 勝平
「俺は覚えてる。
 こいつらが喉が渇いたって言うから、自販機まで買いに行ったんだ。
 俺はその時に、後ろからやられた」


間宮 果帆
「始めに勝平がやられて、その後、あたしらもスタンガンで」


本堂 空太
「…………」


小田切 冬司
「俺も、たぶんスタンガンだったと思う。
 部室にいたんだけど、まだ誰もいなかったから掃除しようと思って、ロッカーを空けたんだ。
 そこに変なやつがいて、そいつにやられたんだけど、顔はわからなかったな」


筒井 惣子郎
「……俺と圭吾も、部室だった。
 他の部員もいたはずなんだが、
 ………………思い出せない」


竜崎 圭吾
「惣子郎は顧問に用があるって部室を出たんだよ。
 それから戻って来なかった。
 他の部員はみんな帰ったんだけど、俺は一応待ってようと思って、んで、気付いたらこれよ」



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