奪われた幸せ-7
「被告人、先程彼方が刺した八重樫さんがお亡くなりとなりましたが、何か言う事はありませんか?」
「特にない…、死んで当然だ、地獄で苦しむが良い。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
巴ちゃんの家の居間。私は何かが爆発し近くにあったクッションを思いっきりテレビに向かって投げた。
その時テーブルにあった花瓶がぶつかり床に叩き付けるように割れ。
「……あっ、ごめん。」
「………。」
彼女は無言で雑巾を持っていき、一条君に指示して塵取りの場所を指刺し。
「若葉ちゃん。」
「ごめん。」
「…君が投げなきゃ僕がやってた。」
「風馬君…。」
「無罪の可能性がある?上等じゃん!それは裏を返せば僕らの元にやってくるという事、なら思う存分奴に復讐が出来る。」
「…そう、だね。」
「法が裁かぬのなら僕らが奴に裁きを下してやるっ!」
一番悔しいのはどう考えたって彼だ、最初は死刑になって欲しい、いやなるべきだ、無罪の可能性…何て言われて腹が立ったけど、そう考えれば。
そうやって二人してとんでもない方向へ進もうとすると。
「…いい加減にしなさいよ、二人とも。」
「っ!!」
雑巾で私がぶちまけた水を拭きつつ冷静なトーンで私達を制止する。
「確かにアイツは稀に見る酷い奴だ、けどそんな奴の為に捕まって良いの?」
「それよりもっとやる事があるんじゃないの?」
何度も何度も間違ってはそれを正す、本当に巴ちゃんには叶わない。
そうだ、こんな事でくじけちゃ駄目だ、愛する人との幸せでかけがえのない幸福の為に。